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愛知県最奥の山々(3)離山 周回ルート 2021/11/18 [山歩き・ウォーキング]
離山から下山途中の豊富林道から眺める大岩岳
愛知県最奥の山々探訪シリーズ、最後を飾るのは離山のレポートです。
・愛知県最奥の山々(1)猿ヶ鼻と水神滝レポートはこちらをクリック
・愛知県最奥の山々(2)八嶽山&袖山レポートはこちらをクリック
離山については、旧版「愛知の100山」ガイドブックでは佐久間ダム付近から沢を遡行するルートが紹介されていましたが、山主からクレームがあったとのことで、「愛知の130山」ガイドブックでは大入側からのルートが紹介されています。登山者がタバコの吸い殻やゴミを捨てたりした事がクレームになったと書いてありました。
里山のほとんどは私有地なので、趣味で歩かせてもらう私達は、最低限のマナーとしてゴミを放置したり、食べ残しや飲み残しを捨てたりしないように心がけたいものです。
午前6時15分、新豊根ダム公園をスタート。
午前6時15分、新豊根ダム公園をスタート。
みどり湖の水量は豊富でした。
初めてガイドブックの離山ページを見て印象的だったのが、落石防止ネットの金網扉が登山口として紹介されていたことです。扉は斜面に沿って倒れていて、はたしてザックを背負ったまま通れるのだろうか?な~んて要らぬ心配が頭に浮かんだのを覚えています。
これまで離山を登ることはないだろうと思っていましたが、いよいよその金網扉に対面する事になり、ちょっとワクワクしながら?スタートしました。
いきなりトンネルの通過から始まるのも他の山には無い面白さ、トンネル内の道は結構な傾斜があり、登山後に疲れた体で戻るのは辛いだろうなと思いました。
トンネルの長さは約400m、照明はなく中は真っ暗でした。
大入川(おおにゅうがわ)沿いの道、右は大岩岳。
大岩岳の山頂北にある反射板の展望地が見えます。先月あそこから見下ろしていました。
道路沿いにはニホンミツバチの巣箱がたくさんありましたが、どれも空屋の様でした。
離山の稜線がチラリと見えます。これからあの急斜面を登っていくと思うとため息が出ますね…
かつてこの流域に存在した大入集落は大昔に廃村となり、訪れる人も希になった大入川沿いでは、鮮やかな紅葉が誰にも観賞されることもなく谷間を彩っていて、2人だけの贅沢な紅葉狩りが楽しめました。
庚申沢橋を渡ると、
もうひとつ車止めあり。
庚申沢橋から約500m、扉は気にしていないと通り過ぎてしまいそうな場所で開いたまま私達を待っていました。これが例の扉か~ 対面できてちょっと嬉しかったです。早速潜って(”通る”じゃなくて”潜る”が相応しい)みますが、さすがに四つん這いにならないとダメでした。思ったとおりだったな~と妙に納得。
入口から四つん這いになってここまで這い上がり、
フェンスを吊っているワイヤーを潜ると立って歩けるようになります。
こんな場所に?と思う様なところに小屋がありました、使われている様子はなさそうでした。
登山道の下部は長い水平移動のようなジグザグ道です。
何度か折り返して登って行くと、尾根が定まってきました。
面白い割れ目が入った岩、良く見ると割れ目の野草に花が咲いていました。
道は途中から尾根を登らずトラバースに入りました。途中で見上げた斜面。
徐々に高度を上げながら山腹道が続く。
写真の谷間から右の尾根に乗りました。
少し尾根を歩くと、今度は左にトラバースが始まりました。
標高650m地点で核心部に差し掛かりました。地形図で割り出す平均斜度は約40~50度、そんな急斜面の山腹に水平歩道が300mほど続いているのです。
狭いところでは靴3つ分くらいの幅しかなく、おまけに落葉がタップリ積もっていて、倒木もあったり… 転落すればおそらく命はないのでビビリまくって通過しました。
この日はピストンではなく、帰りにここを通らなくても済むのが救いです。
無事山腹道を通過すると、次は一直線の尾根道です。
所々紅葉に癒やされながらの登り。
こんな物が枝にぶら下げてありました。落とせば結構な音がすると思うんですけどね。
奥三河の里山でたまに見かける、覚えのある書体。
尾根道は写真で見るよりずっと急です。フィックスロープがありがたい。
部分的に自然林が現れるのが救い。
尾根上から見えた山、名前は分かりません。
急な尾根歩きが終わって、ようやく離山の最高点に到達しました。地形図での標高は920mです。
最高点から結構下って、登り返すと山頂に到着です。
THさんのレーザー加工標識。
三等三角点「庚申」917.06m 木に飲み込まれてしまいそうでした。
帰りは別のバリルートで戻ります。時間は掛かるけど地図読みトレーニングを兼ね、所々コンパスを当てながらの歩き、要所で見かける先人のマーカーが間違っていない事を示してくれました。
帰りは北東の尾根を下り豊富林道に着地する予定です。所々写真のような案内テープあり。
枯れた笹を分けながら適当に斜面を下って谷間に降りました。写真の斜面は結構急でした。
登り返して尾根に乗ったら東方向へ。
付近の紅葉。
鞍部に出たところ。この手前で北西方向の尾根に入らないよう注意です。
登り返して別の尾根に乗ったら、今度は北西方向(左)へ。小旗風のテープマーカーあり。
尾根の途中にあった大きめのモミとブナの木。
赤テープ(ハナレ)、黄テープ(サワ)、白テープ(オネ)と書いてあります ここは”オネ”方向へ。
鞍部手前にあるco810ピーク モミ(ツガ?)の木が立っていました。
この鞍部から西の谷へ下降、ここまでは順調に来ました。
谷底からトラバースして目的の尾根に乗りたいと考えていましたが、
できるだけ高度を下げないようにトラバースしようとしますが、結局ズリ落ちて谷底歩きに…
歩き易そうな場所を探りながら進みますが、間伐した倒木がいっぱい転がっている上に斜面が急なため、なかなか水平にトラバースできません。このままだと、どんどん高度が下がって予定の尾根に乗り損ねるかもしれない。いっそのこと登って尾根に乗った方が得策か?と考え斜面を見上げるが、その激急さを見ると登る気は起きませんでした(^^;
ジリジリと高度を下げながら谷沿いを進んで行くと、谷間に垂れる真新しいトラロープが目に入った。おおっ!これぞ神のお導きだ!(ちょっと大げさ)
ありがたく使わせてもらい小尾根に乗りました。
ロープを頼って小尾根に出ると、微かな踏み跡が山腹に続いているのが見えたのでした。結果先人とおなじルートを進んでいたと言うわけです。
鞍部から約300m、目的の尾根に乗ることができてヤレヤレです。
下って行くと、間もなく豊富林道が見えてきました。
途中から尾根を外れて、写真の場所で未舗装の作業道に降りました。
右の道から出て来ました。舗装されているのが豊富林道です。ここから延々と林道歩きになります。
カエデの黄葉。
錦に彩られた斜面が綺麗でした。
林道の銘板です。
植林も遠目には整然としていて綺麗ですね。
遠くに見える尖った山は静岡県の「登気野」です。
一段と赤かったカエデ。
整った山容の大岩岳を眺めながら下る。
現在林道は法面をコンクリートで固める工事中みたいで、林道脇に重機や設備が置いてありました。
長い林道歩きが終わって県道に合流。
トンネルを抜ければスタート地点のダム公園です。
2日間の疲労が蓄積した足では林道を下るだけ辛かったです。無事終わってホッとしました。
【備忘録】
(新豊根ダム公園~登山口)
・トンネルを抜けて通行止めになっている県道429号を下る(約2.6キロ 30分~40分)作業車が通行する場合があるので注意。
(登山口から離山山頂)
・落石防止ネットの扉が登山口
・標高650m地点から50度くらいの急斜面の山腹に付けられた狭い道を約300m水平移動する。もし滑落したら無事では済まされないので細心の注意が必要です。
・尾根に乗った後は山頂西にある最高点まで一直線の急登が続く。
(離山山頂~豊富林道:バリエーションルート)
・山頂から北東の尾根を下る。所々新しい赤テープ目印あり。標高860m付近で尾根の北側を巻くように踏み跡が付いている。その先の鞍部から登り返して次の尾根に乗ったら北西へ進む。
・標高780m地点の鞍部から西の谷に下り、山腹を高度を下げないようにトラバースして豊富林道につながる尾根に乗ろうとしたが、山腹が急な上に間伐の倒木だらけでとても難儀しました。たまたま新しいトラロープが設置してある地点に出たので助かったが、鞍部から谷に降りずに登り返して尾根伝いに遠回りした方が確実だったかもしれません。(未調査なので実際はどうだかは不明)
※降りた沢は県道の庚申沢橋までつながっているが、そのまま下ってしまうと危険だと思われる。
・豊富林道に出た後は、ひたすら下って行けば県道428号に合流する。
せっかくなので、帰り支度を済ませた後にダムの展望台まで行ってみました。
一般車両はここから進入禁止です。
こちらが展望台。
アーチ式の新豊根ダム 佐久間湖から水を汲み上げて発電しているそうです。
下を覗くと目が眩むような高さでした。
帰路の途中で「とうえい温泉」へ。
お風呂上がりはこれ♪ ノンアルコールですがビールを飲んだ気分が味わえます。
ついでにちょっと遅いランチを。
温泉帰りに設楽町田口にある蓬莱泉の本社蔵直売店にも立ち寄りました。
【周辺情報】
日帰り温泉
・兎鹿嶋温泉 湯~らんどパルとよね(日帰り温泉)
毎週木曜定休
・とうえい温泉 花まつりの湯(日帰り温泉)
毎週水曜定休
タグ:愛知のお山
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