【近江鈴鹿】御池岳・土倉岳 茨川～真の谷遡行 2018/5/16-17 前編

　５月の清々しい真の谷。

場所・山行日	「御池岳:おいけだけ:1241m（奥の平:独標）」 「土倉岳:はぜくらだけ:1049.39m:三等三角点」 滋賀県東近江市君ヶ畑町・茨川町　2018年5月16日（水）～17日（木）
ルート	16日:小又谷出合駐車地～ノタノ坂～茨川廃村～三筋の滝～真の谷～テント泊地 17日:テント泊地～奥の平～ボタンブチ～土倉岳～ノタノ坂～駐車地
歩行距離	18.4Km（平面距離)　16日・10.4Km　17日・8.0Km
標高差	駐車地～鉄塔展望地+290m　展望地～茨川廃村-250m　茨川～三筋の滝+100m 三筋の滝～テント泊地+240m　テント泊地～奥の平+360m　奥の平～土倉岳鞍部-205m　土倉岳～ノタノ坂-305m
所要時間	16日:08時間22分　05:52～14:14 （休憩・昼食時間含む） 17日:05時間49分　06:04～11:53 （休憩時間含む） Google earth俯瞰図はこちら

　予てからの希望であった茨川～真の谷遡行、何度か順延してきましたが、とうとう実行する日が来ました。ワクワク感はいっぱいですが不安もいっぱい。何しろペースが遅い上にテン泊装備の重量、はたして本当にこのハードなルートを歩き通す事ができるでしょうか？^^;

※茨川廃村～茶屋川・真の谷遡行、奥の平直登ルートは踏み跡や案内はありません。地形図・コンパス・GPS等でルートファインディングが必要です。山慣れた方との同行をおすすめします。

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（コース状況）

【駐車スペース～ノタノ坂】

　しばらく小又谷林道歩き（序盤に渡渉あり）。鉄橋を渡ってからは谷沿いの狭い道で転滑落注意。（5月中旬からはヤマビル出没エリアにつき要注意）

【ノタノ坂～茨川】

　今回上部は尾根通しで歩きました。山腹道を選択する場合は、非常に急な斜面に細い道が付けてあるので転滑落注意（転落すれば命に関わる斜度です）。その後尾根を乗り越えて反対側の山腹を下る。やはり道幅が狭く、倒木が邪魔している地点あり。

【茨川～三筋の滝】

　茶屋川の遡行。渡渉を頻繁に繰り返すので今回は長靴で歩いています。蛇谷出合から大きな岩が出てきて歩きにくくなります。

【三筋の滝～真の谷遡行】

　三筋の滝は右岸の急斜面に固定ロープがあるので利用して登る。滑りやすい土質なので滑落注意。その後は大岩や小滝越えを繰り返す。5m滝は下流に戻って左岸を高巻きました。（高巻きも危険、転滑落注意）

　白瀬峠の真下あたりから右岸に踏み跡が出てくるので利用。（涸れ谷は歩きにくい為）

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　国道421号石榑トンネルを抜けて、道の駅のある蓼畑から君ヶ畑へ向かい駐車地へ。
駐車地から先の林道御池線は復旧工事の為、小又谷先300m地点で通行止め　「歩行者も通行できません」の注意書きあり。

　小又谷出合の駐車スペースです。車はここで一晩泊まってもらいました。

　ここから右へ小又谷沿いの林道に入りノタノ坂へ。

　しばらくは林歩き、新緑が眩しいです。

　沈下林道の渡渉地点、水量多めでしたが、長靴を履いてきたので大丈夫です。

　小又谷沿いの道。

　林道脇にはフタリシズカと、

　マルミノヤマゴボウ。

　小又谷の鉄橋を渡って支谷沿いの道に入る。踏み板が無い部分がありますよ。

　谷沿いの道は送電線鉄塔の管理道です。所々幅が狭い部分があるので注意。

　ノタノ坂です。茨川は通常ここを右ですが、荷物が重く山腹道の通過が不安なため、一旦正面を登って尾根通しルートで向かいます。

　鉄塔下で休憩。

　真新しい部品が重ねてありました、これはなんでしょう？

　見上げると、なるほど！電線をまとめる器具なんですね。

　ここからは藤原岳方面が良く見える。

　鉄塔から来た道を少し戻り、写真の場所から南東の尾根へ入りました。

　明るい尾根を下って行くと再び鉄塔。こちらも藤原岳方面が良く見えました。

　ここで山腹道に合流しました。迂回完了です。

　少し尾根芯を下ると、今度は尾根の反対側の山腹道に変わります。こちらも道幅が狭く急斜面なので油断はできません。

　この倒木には参りました。乗り越えるのはムリだし、潜ろうとすると幹から出ている枝が引っかかってなかなか抜けられません、二人ともパンツが泥だらけになってしまいました。^^;

　茶屋川の支谷に降りてきました。左岸の踏み跡を下流へ向かいます。

　尾根を乗り越えた先に茶屋川が見えてきました。畔に佇む廃村・茨川です。

　斜面を降りていくと生活の名残を感じる道祖神。

　

　反対側にも2体鎮座されていました。

　茶屋川に降りてきました、ここから延々と谷の遡行が始まります。

　青い屋根は名古屋大学ワンゲル部小屋。ネットで調べたところ、廃村前は筒井さんという方のお宅だったとのことです。

　

　天照神社。お騒がせのお許し乞いと、山行の安全を祈りました。

　珍しく茶屋川には砂防堰堤がありません。川巾が広く砂利で埋め尽くされています。大きく斜面が崩壊している地点がありました。

　これから幾度となく渡渉がありますが、長靴を履いているのでズンズン進めます。浅ければ水の中をそのまま進めるので、最短ルートで歩けます。

　前方に見えるのは、土倉岳ヘリポート付近の鉄塔だと思われます。

　ヤマフジの花。

　この日の水量は多めな感じ、極力流れに逆らわない様に歩かないと、長靴でも上から水が入ります。

　ヤマツツジ。新緑とのコントラストが目を引きます。

　種類は判りませんが、カエデの花です。

　広々とした川は気の向くまま好きなところを歩けます。

　側脈が谷間に入る独特なブナの葉。　優しい感じがとても好きです。

　蛇谷との出合地点。茶屋川はここでV字ターンします。藤原岳西尾根ルートはこの付近から入る。

　支谷に掛かる小滝。

　正面に藤原岳の天狗岩が見えました。

　気温は１８度C　寒くもなく暑くもない快適な温度。

　水量が多く、トレッキングシューズだと中を濡らさずに遡行するのは困難かもしれません。長靴は水深だけ気を付ければ良いので本当に楽です。

　善右ヱ門谷との出合地点。２年前の秋にこの尾根の末端から藤原岳へ登りました。

　ジシバリの花。

　流れは一筋ですが「三筋の滝」に着きました。この谷歩きでの難所のひとつです。

　滝の動画です、最後に写っている斜面が右岸の高巻き道です。

　滝越えは右岸のフィックスロープを頼りに急斜面を這い上がる。滑落したら危険な斜度です。

　自分もですが、相棒も荷物が重くて登るのが心配なので、先に荷物だけロープで引き上げることにしました。それぞれ重量が17キロ、20キロくらいあるので引き上げるのは大変でした。写真では全くそうは見えませんが、相棒が屈んでいる場所は急斜面の途中で足場が悪いエッジの上、かなり危険な場所です。

　かなり時間を要しましたが、なんとか登り切って滝の真上（写真）に出ました。岩肌にはイワタバコが生えています。

　これが滝の上から見た上流です。まだ遡行の半分にも到達していません。肩に食い込む荷物の重さが堪えますね。^^;

　ナツトウダイ。

　ニホントカゲを捕獲しました^^　何匹か見かけましたが、ここのトカゲは皆丸々と太ってました。

　 土倉谷出合です。ここから土倉岳へのルートもあります。なぜか”白船峠”の表示が木に下がっていました。

　無敵かと思われた長靴ですが、水深のあるところではさすがにヘツるしかありません。やはりズブ濡れお構いなしの沢登り装備が最強ですね。

　巨大な ”さざれ石” が何個も集積する地点がありました。どうしてこうなるのでしょうね？

　手がかりが少なく苦戦しているところ。

　沢歩きはホント気持ちが良いです。




　岩や小滝を何度も越えて前進あるのみ。

　ところがこの5m滝が立ちはだかる！

手前は水深があり近寄れず足がかり手がかりが遠い、重い装備で直登は手強いと判断し、一旦下流に戻って左岸を大きく巻くことにしました。

　かなり高い所まで登って巻きました、斜面も急なので滑落しないよう慎重に。荷物が重いので大変でした。

　先ほどの5m滝の上流、谷が合流する地点に降りてきました。

　当初はずっと先のテン泊地で食べる予定でしたが、大幅に遅れた上に疲れ果ててしまって途中でランチ。

　疲れているのに、花を見ると思わず撮ってしまいます。荷物が重く、地面近くに咲く花の撮影では、屈むと立ち上がるのが大変^^;

　ウツギの花ですね。

　さて、どうやって越えようか？　突破方法を探るのも楽しいです。

　左岸側をよじ登る。長靴の底がちゃんとグリップしてくれたので、さほど労せず越えられました。

　だんだん水流が細くなって来たな、とは感じていたのですが、途中で全く無くなってしまいました(ﾟДﾟ)

　しばらくは行けども行けども水はなし･･･　このまま水場が無かったらどうしよう。

　愕然としながらさらに上流へ向かうと、突然水流が出てきました、いやあ～ホッとしました^^;

　谷中は岩が多くて歩き難いので、途中から右岸のバイケイソウ畑の踏み跡を進みました。



　テン泊地のすぐ手前、写真の中州が白瀬峠への登り口です。（下流方向を振り返って）

　やっと真の谷のテント泊地に到着しました。
御池岳テーブルランドでのテン泊も候補でしたが、「重装備」＋「現地調達水6L」＋「疲労困憊の体」で急斜面を２時間も登るのはムリと判断し、ここで泊まることにしました。はあ～疲れました^^;


つづきは後編へ

タグ：鈴鹿の山

場所・山行日	「御池岳:おいけだけ:1241m（奥の平:独標）」 「土倉岳:はぜくらだけ:1049.39m:三等三角点」 滋賀県東近江市君ヶ畑町・茨川町　2018年5月16日（水）～17日（木）
ルート	16日:小又谷出合駐車地～ノタノ坂～茨川廃村～三筋の滝～真の谷～テント泊地 17日:テント泊地～奥の平～ボタンブチ～土倉岳～ノタノ坂～駐車地
歩行距離	18.4Km（平面距離)　16日・10.4Km　17日・8.0Km
標高差	駐車地～鉄塔展望地+290m　展望地～茨川廃村-250m　茨川～三筋の滝+100m 三筋の滝～テント泊地+240m　テント泊地～奥の平+360m　奥の平～土倉岳鞍部-205m　土倉岳～ノタノ坂-305m
所要時間	16日:08時間22分　05:52～14:14 （休憩・昼食時間含む） 17日:05時間49分　06:04～11:53 （休憩時間含む） Google earth俯瞰図はこちら