御在所岳 本谷~前壁ルンゼ~裏道 周回 2016/4/14 [山歩き・ウォーキング]
今年初の鈴鹿山脈は御在所岳のバリエーションルート。詳しい人に同行してもらい歩いてきました。
写真は本谷ルート途中にある通称「ジョーズ岩」
※この同じ日、九州地方で起きた大地震は大災害を引き起こしました。お亡くなりになられた方々のご冥福と、被災された多くの皆様が一日でも早く普段の生活に戻ることができます様、お祈り申し上げます。
場所・山行日 | 「御在所岳:ございしょだけ:1209.41m」2016年4月14日(木) 三重県三重郡菰野町・滋賀県東近江市 境 | ||
ルート | 無料P~山の家~本谷入口~不動滝~ジョーズ岩~大黒岩~山頂~裏道より前尾根P1 ~ヤグラのコル~前壁ルンゼ~裏道より藤内小屋~蒼滝トンネル~無料P | ||
歩行距離 | 8.3Km/10.7km(平面/沿面) | ||
標高差 | P~不動滝+200m 不動滝~大黒岩+360m 大黒岩~山頂+90m 山頂~ヤグラコル-140m ヤグラコル~裏道出合-136m 裏道出合~藤内小屋-270m 藤内小屋~蒼滝トンネル口-180m 滝トンネル口~P+70m | ||
所要時間 | 07時間00分 07:58~14:58 (休憩・昼食時間含む) 実測ルート図はここをクリック Google earth俯瞰図はこちら |
※注意
今回歩いた本谷、前壁ルンゼは一般登山道ではありません。歩く場合はそれなりの装備と技術を要します。なるべく単独は避け、ルートを知る経験者との同行をお勧めします。
国道477号線を湯の山温泉方面へ向かいます。明け方までしっかり降った雨、この時間御在所岳山頂は雲の中でした。AM7:02
しかし北繋がりの藤原岳山頂には雲はなし。もしかしたら早めに天候回復かも!
中道登山口近くの無料駐車場で本日同行していただくkameさんhoroyoiさんと待ち合わせ。 山頂の雲も切れてきましたよ。
国道は今ちょうど法面工事の真っ最中。登山者用にちゃんと歩道が確保されていました。
御在所山の家から入山します。AM8:03
本日は少々危険なバリルートなのでヘルメット装着!気合いを入れて行きますよ~
本谷は直前までの雨で水量が多目です。濡れた岩が滑りやすく、早速1名ドボンしてしまいました^^;
この谷は、湯の山温泉を流れる三滝川の支流としては大きい方で、本来は ”一の谷本谷” と呼ぶのが相応しいのですが、呼び名は ”本谷” で通っています。
水の中ではカエルがじっとしているよ~♪
右へ行ったり左へ行ったり、谷道は忙しいです。
御在所名物・6号鉄塔が見えてきました。昭和34年に建てられたこの鉄塔は高さ61m、 ロープウェイ支柱としては日本一の高さだそうです。(建設当初は世界一だったとか)
高度を地道に稼いでいきます。やはり雨上がりで水量が多いようですね。
不動滝到着です。普段は水量は少ないみたいですが、ここも豪快に流れていました。AM8:49
巻き道はアップダウンもあります。
バイカオウレンの小さな花が所々に。
早春の花の代表と言えるショウジョウバカマ、下界では花は終わっています。
ここから急斜面に取り付いて大黒滝付近を大きく巻きます。AM9:25
かなり急なルートですが、ウオーミングアップもとっくに済んで調子が出てきました。
大黒滝を横目に見ながら、
ちょっと嫌らしい岩場を乗り越え、
雲母峰がこんな角度で見えるようになってきました。伊勢湾も見えますね。AM9:38
モクレンの仲間は花が良く似ているので、パッと見ただけでは区別できません。ここは標高1000m近くなのでタムシバでしょう。
岩は濡れているので油断は禁物。ロープも垂れていました。
そして冒頭写真にあったジョーズ岩です。標高はちょうど1000m付近。右に鎖が垂れていますが、ちょっと嫌らしい地点ですよ。AM9:47
ジョーズ岩は中からも抜けられます。最後はこの穴からロープを使って脱出できます。
頭上が開けてくるとロープウェイが真上に見えてきました。ここからは明るい谷を登っていきます。
真下から見上げた山頂部の富士見岩は中道の終着点です。こんな角度から見られるのはこのルートだけ。
足元にはこんな物も落ちていました。滑車や鉄製のバスケット? AM10:10
結構分厚い鉄板で出来ていますが、流れ下る土砂や岩に潰されてペシャンコ
御在所ロープウェイの6号鉄塔が足元になりました。ゴンドラに乗った観光客に手を振ると、振り返してくれました。(写真クリックで拡大)
朝陽台の真下あたりです。ロープウェイ山上公園駅も見えています。
ヘルメットかぶってこんな所を歩いてると、素人集団なのになんかカッコ良く見えますね^^;
(kameさん撮影 )
ここからロープを使って大黒岩へ向かいます。
大黒岩到着(kameさん撮影) ここで前半戦の本谷バリルート完歩達成です!AM10:23
大黒岩先端の特等席に立つkameさん。オレンジのMAMMUTがカッコイイ!
山頂台地です。朝までお天気が悪かったせいで、人はかなり少ないです。AM10:43
スキー場のゲレンデから山頂へ。バックはロープウェイの駅がある朝陽台。つい先程まで野趣あふれるルートを歩いてきたと言うのに山頂はご覧の通り。御在所岳はこの落差の激しさが特徴^^; ここが俗化されてなくて、もう2~300m標高があれば、深田久弥さんも百名山に選んだかもしれません。多彩なルートを持つこの山は、鈴鹿山脈の盟主に相応しいと自分は思ってますけどね。
山頂に集まっていた観光客の方に集合写真を撮っていただきました。本谷で手を振っていたのを、ゴンドラから見てくれていた方が声をかけてくれました、嬉しいですね!AM11:00
タテヤマリンドウ これから5月にかけて、直径2センチくらいの可愛い花を次々咲かせてくれます。
さあ、ランチはレストランアゼリアで!まずはこいつで乾杯~!(ノンアルコールですよ^^)AM11:23-12:00
オーダーしたのは一筆書きトラヴァース・田中陽希さんも絶賛の御在所カレーうどんです!^^
陽希さん直筆プレートが壁に掛けてありました。番組では御在所岳は軽く流されてしまって物足りなかったんですけどね…
窓越しには鎌ヶ岳。尖った姿は何度見ても凛々しい!「鈴鹿の槍」と言われる所以です。
昼食後、僅かに残った雪を踏んで喜ぶメンバーPM0:02
さて、次はバリルート第2ラウンド、前壁ルンゼへ向かいます。クライマーが下山に使うルートだそうです。ケルンから裏道へ。
裏道をそれて前尾根へ入るPM0:12
P1の先から激下りの始まり。前方に見えるのは藤内壁の岩場です。
ここはもし落ちたら止まらない… 慎重に降りました。
P2(ヤグラ)の手前で。PM0:28
直下まで巻いてから見上げたヤグラ。クラックに手を突っ込んで登るんだと…
ヤグラのコルからも油断できない急斜面の下降が待っている。遥か足元に裏道の登山道が見えます。
前壁の一枚岩を巻いて下っているところ。(kameさん撮影)
帰るためにはビビッてばかりは居られません^^;
上から見るとこんな感じPM0:55
どうしてこんな所にタイヤがあるのでしょう?
やっとの思いで北谷まで降りてきました。無事ここまで来ることができてホッとしました~PM1:07
前壁の上部。このルンゼを降りてきました。下から見上げたら、とても人が歩ける斜面には見えませんね…
後は裏道をひたすら下ります。途中の渡渉地点で、転石を飛び移ろうとするメンバー達を撮影してみました。人間の構造上、飛び移る瞬間は両手を前に振り出すんですね~ 意識したこと無いけど面白いです。
兎の耳と呼ばれる大岩。PM1:39
2008年豪雨で岩だらけになって雰囲気が台無しになってしまった北谷。人気ルートだった裏道は、この災害をきっかけにNo1の座を中道に明け渡すことになったのでした。
藤内小屋に着きました。ここでしばし休憩。PM1:50
北谷に架かる木橋。 けっこうたわむので怖いですよ。
こちらは豪雨災害の後にできた砂防堤。中央は鉄管になってます。PM2:30
新しくなった日向小屋。PM2:36
旧小屋は豪雨災害で土台をえぐり取られ、首の皮一枚で辛うじて倒壊を免れましたが、使用不能になってしまいました。もうかれこれ8年も前のことです。
途中イワウチワの群生がありました。
ピンクがかったのや、白っぽいやつもあります。可愛いですね。
蒼滝トンネルを抜け、国道を歩いて駐車場に戻って来ました。PM2:58
ちょっとハードでスリルのある山行きでしたが、歩き通すことができて自信になりました。kameさん、horoyoiさん、今日はありがとうございました。
写真は帰りに寄った温泉ホテル(希望荘)の駐車場脇に咲いていた花。スモモでしょうか?
※梨の花かも?2016/4/21追記
ひぃぃ~~ 登りはともかく、こんなとこる下るなんて無理~~~(><)
by よしころん (2016-04-19 12:38)
よしころんさん>こんにちは
ここの藤内壁は関西や中部では良く知られたクライミングトレーニングスポット。案内してくれた方もクライミング人間なので高い所はへっちゃらなんです。私達はビビりながら必死に下りましが…^^;
でも、見上げたらとんでもない斜面なんですが、別にロープが無くても降りられるんですね~ 人間って意外にできるんだな!と思いましたよ。
by teppan (2016-04-19 13:31)
こばわ~ すごいですねw
これは完全に登山ですね!
いや~なんちゃってハイカーの私には無理です・・・(ノ∀`*)ペチッ
くれぐれもお気をつけて^^b
by 水鵬 (2016-04-20 20:17)
こんにちは水鵬さん!
今回のは連れて行ってもらえたから歩けましたが、自分達だけでは絶対行きません!岩をやる人ってのは、我々とは恐怖感の次元が違うみたいです。下りはもうビビリまくりでした。無事帰ってこられて、達成感と満足感タップリの山行でした。(^^;)
by teppan (2016-04-21 09:45)
すごいVRルート、岩のぼり よく登られましたね。 (*_*)
御在所は私の甥が岩登りしているようです。 叔父はフリークライミング、甲府の山で滑落して一命取り留めリタイア、御在所岳によく通ったらしいです。 甥はロッククライミングで、御在所によくいってるようです。
ロープウェイで行ったことがありますが、したから登ってみたいと思います、一般道で。。。
by Jetstream (2016-04-23 20:18)
こんばんはJetstreamさん
御在所岳はバリエーションに富んだ山で、観光客、登山者、クライマー、沢屋さん、冬はスキー客と、色々な人種が入り乱れて賑やかなところです。これだけ懐が深い山はそうザラにはないのでは?と思います。それだけに、たまに遭難者も出たりもするのですが… 山頂は俗化されていますが、途中がとても面白い、変な山でもあります。
ここは巨岩・奇岩の多い中道(中登山道)を麓から登るのが一番人気です。そのルートもビギナーにはちょっと敷居が高いですが…
by teppan (2016-04-23 22:54)