富士山ハイク 御殿場口から宝永山 2012/10/25 [山歩き・ウォーキング]
秋深まる富士山中腹をハイキングしてきました。
東名高速「富士川SA」より眺めた夕焼に染まる富士(写真クリックで拡大表示)
(ルート) 御殿場口新五合目~二ツ塚~四辻~三辻~御殿庭入口~御殿庭上~宝永第1火口縁
~宝永第1火口底~宝永山~大砂走り~次郎坊~御殿場口新五合目
(所要時間) 8時間35分:6:05~14:40 :休憩・昼食時間含む
(歩行距離) 約14キロメートル:沿面距離
(最大標高差) 1,250m 実測ルート図はここをクリック
富士山には今年8月に初登頂を果たしましたが、登頂を期に色々調べている内、本当に奥が深い山だということを改めて知る事になりました。「記憶が新しい内にもう一度歩いてこよう!」と思い、今回再び富士を訪れることになりました。
今日は御殿場口新五合目から二ツ塚(双子山)を通り、御殿庭(ごてんにわ)付近を経由して宝永山へ。その後「大砂走り」を一気に下るという盛り沢山なルートです!
現在富士山一般登頂ルートは各五合目で入口が封鎖されています。今回大砂走りを歩く予定なので、一応事前に問い合わせてみた所、通行はOKとの事。また御殿場口新五合目のトイレも、太郎坊からの県道が冬季通行止めになるまでは使用出来るようです。
御殿場までは自宅から250キロ。高速道路を使って約3時間半。本当なら1泊2日で余裕をもって行きたいんですが、今回は日帰りです。だいじょうぶかな…(^_^;)
午前1時頃自宅を出発。新東名高速をひた走り、午前4時半頃御殿場の牛丼屋に到着。定食で朝ごはんにします。食事後近くのコンビニで食料を調達した後、県道23号で五合目に向かいます。トイレは五合目にもありますが、陸上自衛隊駐屯地のすぐ隣りにある「桜公園」のやつが綺麗で便利ですね。ただし、登山口からは約10キロほど手前です。
あたりが明るくなり始めた午前6時前、御殿場口新五合目駐車場に到着。広~い駐車場には他に一台も止まってません!しばらくして富士山頂が朝陽を浴び始めました。今日は残念ながら日中曇りの予報。(写真クリックで拡大表示)
御殿場口新五合目登山口。通行止の立て札とトラ柵。山頂部はすでに冠雪しており、強い風が吹き荒れる完全な冬山。私の様な一般ハイカーが立ち入る事ができる様な領域ではありません。
富士山が他の山と違って特殊なのは、山頂をめざそうとする人が普段山歩きをしている人ばかりじゃないって事でしょうか。普段着で登ろうとする人もけっこう居る様で、毎年何人もの人が遭難したり、亡くなっているのも事実です。この立て札はそういった人々に注意を喚起する為のもので、相応の経験と装備を持ち、届出をして登ろうとする人を排除するものではありません。
五合目のトイレはトンネルみたいな場所にありユニークな形状。水洗トイレは処理水が常に循環して流れています。
第一駐車場の、富士山に向かって左脇からハイキング道へ入ります。 御殿場ルート付近は最初から砂ザレの大地でズルズル…
約15分で「大石茶屋」に到着。今年の営業はすでに終了しています。ただ自販機は動いていて、なんと缶ビールを500円で売ってます!もし車じゃなかったら下山後のビールの誘惑にはきっと勝てないだろうなあ~(^^ゞ
双子山(二ツ塚:写真左の二つのピーク)の鞍部までは白いロープを目印に涸れ沢を何度か渡りながら進みます。火山灰の斜面で歩きにくいです。
鞍部から下の双子山へ登ってみました。眺めは実に雄大!でも今日はとても風が強いです。晴れていればなあ…
手前から順に、双子山上山、宝永山・富士山頂
四辻(よつじ): 各ルートの分岐地点。幕岩(まくいわ)へはここを南へ。今日は御殿庭方面へ進む。正面は宝永山と富士山頂。
三辻を過ぎ、黄葉したカラマツ林の中を小天狗塚へ進みます。振り返って見た双子山。いい雰囲気の林です!天気さえ良ければねえ…
小天狗塚の鞍部からは大きくえぐれた枯れ沢の中へ下ります。沢を横断した所が御殿庭入口。ここを右に沢右岸の森の中を登ります。
斜度がキツくゼイゼイ言いながら必死に登り、ようやく斜面が緩くなってきた所から山頂と宝永山が見えてきました。カラマツを縫うように続く踏み跡を、白いペンキマークを頼りに進みます。
御殿庭上付近。山頂と宝永山、そして宝永第3火口と御殿庭の森が見渡せます。この先にまるで別の山がそびえているみたいですが、今立っている場所も宝永山も富士山なんですよね。何だか不思議な気分。
宝永第3火口底からは黄色いカラマツと、枯れてオレンジ色に見える草の島が浮かんでいて、箱庭みたいで実にきれいです!(写真クリックで拡大表示)
写真の鞍部(第2火口と第3火口の境目)から右のピーク(山体観測装置ピーク)まではザレザレの急斜面。いやあ~辛かったです!鞍部の右下から登って来ました。
さらに第1火口縁までもザレ道が続きます。冠雪した富士山頂を正面に見ながら必死に登ります。右側は宝永第1火口。
火口縁から見た宝永第1火口。右の平らなピークが宝永山の山頂です。火口の中に踏み跡が見えますね!これからそこを行きます。今日最後の辛い登りが待ち構えています。
宝永第1火口底で昼食をとっていたら小学生の団体さんが続々とやってきました。慌てて退散~!今日は他にも高校生のグループが先生に引率されて来てました。富士宮口から近いので、地元の学校の遠足ルートになってるんですね!こんな雄大なところへ遠足で来られるなんて羨ましい!
宝永火口のハイキングルートはこのような2色の小さな溶岩の石ころ道になっています。滑りやすいので一歩進んで半歩ずり下がるって感じですね(^_^;)
ルートの上部の曲がり角から、何人も下って自然に道が出来ていたんですが、夏には無かった通行禁止の立て札がありました。この右下に正規ルートが通っているので、落石で事故を起こさない為の配慮です。
私達より先行して宝永山頂に向かった高校生グループが戻って行くところ。宝永火口の雄大な眺め。この様な火山灰のザレ道を下る場合は踵を砂の中にけり込む様にすると楽ちんです。
火口壁の登りはホント辛いです。度々立ち止まっては小休止。振り返ると富士山頂が見えるので幾分気が紛れます。
やっとの思いで辿り着いた宝永山の山頂。風が強くてウインドブレーカーがパンパンに膨らんでますね。(^^)
宝永山からの雲海。お昼を過ぎてお天気も回復傾向の様です。
山頂から今度は馬の背へ。遮るものがなく、話しかけても聞こえないくらい風が強いです。さらに風の強い日は歩くのは避けた方がいい様ですね。馬の背からは火口とは反対側(写真右側)の御殿場ルート「大砂走り」へ下ります。
これが御殿場ルートの「大砂走り」ザックザックと走るように下ることができます。いやあ~痛快!(写真クリックで拡大表示)
右下に今朝歩いた双子山が小さく見えます。御殿場口新五合目の駐車場も確認できますが、まだ遥か彼方って感じ…
気象庁の避難小屋を過ぎて随分下ってきたのに、いつまでたっても登山口に着きません。砂の地面もだんだんと硬く締まってきて歩きにくくなってきました。期待していた大砂走りも「もうお腹いっぱい!」って感じ…(^_^;)
このルートの両脇にはフジアザミが点々と群生しています。こんな栄養分も無さそうな土地に大きな花を咲かせるなんて、どこにそんなエネルギーを蓄えているんでしょうね?
砂走りも終盤になって足も痛いし疲れてきました。時々後ろ向きに歩いたりしながら、やっとの思いでトラ柵がある登山口に辿り着きました。何だか踵が痛いです…
帰り着いた五合目から見上げる富士山頂。朝は誰も居なかった駐車場には、遠足でやって来たまた別の小学生グループで賑やかでした。ああ~疲れた…
帰路、東名高速富士川SAのスタバで赤く染まった富士山を眺めながらマッタリとコーヒータイム。
富士山のシルエットの右肩あたりに宝永山の出っ張りが見えて、「今日あそこを歩いてきたんだなあ…」なんて回想にふける。もう遠い過去の事の様です。 そして懲りずに「いつかまた歩きに行こう!」と思ったのでした…(^^ゞ
おまけ
サービスエリアにはこんな石の覗き穴があり、ちょうど富士山が収まって見えました!
またまた!富士山に行って来たんですねぇ、お疲れ様でした。
いろんな楽しみ方があって、奥が深いですね、富士山。
富士川SAの覗き穴、知ってますよ。その昔、記念撮影をしようとした時、団体の外人さんが
取り囲んでいて出来なかったのを覚えています。スタバもあったかなぁ?
by げんた (2012-10-27 22:35)
また富士山ですね~
さすが富士山奥が深いですね。
また別の楽しみ方を教えていただきました。
しかも日帰りとは・・・
仕事で頻繁に富士川SAは休憩するのですが、覗き穴は知らなかったっすw
by 水鵬 (2012-10-28 11:08)
げんたさん こんにちは!
性懲りもなくまた行って来ました。
今まで富士山と言えば「溶岩」ってイメージだったんですが、そうじゃない場所の方が多いって事を知りました。今回歩いた場所もそうでしたが、五合目までの道路脇の雑木林も綺麗に色づいていて、秋の富士山は紅葉(黄葉)の山だったんですね。
例の穴は、しきりに石の前で覗いてる人が居たので気が付きました。
by teppan (2012-10-28 12:35)
水鵬さん こんにちは!
ホント奥が深いです、富士山は。まだまだいっぱいハイキングスポットがあるんですが、日帰りではちょっと遠いですね~。この日は午前0時から翌日の午前0時まで起きてたんで、まるまる24時間寝なかったって事で自分でもビックリ!スタバのドリップコーヒーが効いたのかも(^^)
by teppan (2012-11-11 22:57)