トレッキングポールの功罪 [山歩き・ウォーキング]
今回はトレッキングポール(ストック)のお話
山歩きをしていてすれ違う人を見ると、ほとんどの人が「トレッキングポール」を使っています。かく言う私も使っていました…過去形なのは、昨年末からあまり使わないようになったから…その理由を書く前に、ポールを使う利点を下に書きだしてみました。
・沢を渡渉する時
あってよかった~!と一番感じたのが石を踏んで沢を渡ろうとした時。自信がなければ潔く靴を脱いで水の中を行くしかありませんよね!そんな時、ポールを水の中に突いて支えながら行けば抜群の安定感があります。私も過去幾度となくポールのお世話になってきました。
・よろけた時
歩いていて、ちょっとよろけたり、つまずいたりした時、とっさに突くことで転倒を免れる事ができます。急斜面の山腹道なんかを行く時、短く持ったポールを山側に突きながらバランスを取ると安定感がありますね。
・大きな段差を降りる時
私は下りで膝が痛む事があるので、負担を減らす意味で、ポールを持つ腕で体重を支えると辛さが軽減できます。
・藪こぎの露払いとして
時々意図して藪こぎする事があるんですが^^; そんな時、ブッシュやクモの巣をはらう時に。
・危険な生き物の牽制
ヘビに遭遇した時なんかの牽制用? まあそんな風に使った事はありませんけどね。
・ツェルトの代用ポール
自分はツェルト持ってないんですが、ツェルト設営の説明とかに良く使われてますよね!
と、まあこんなところがポールを使う利点でしょうか…「持ってると色々役に立つじゃあないか!」と皆さん思いますよね。 そう、けっこう使えると自分も思うんですよ。それでも使わないのはどうしてかと言いますと…
その一番の理由とは、下りでポールに頼り過ぎていたのが原因で、相棒(かみさんの事です)が沢に転落してしてしまった事があったからなんです…
昨年初冬、鈴鹿山地・仙ケ岳の白谷道で、沢沿いの岩場を下っていた時、後ろで「ザーン!」と音がしたのでビックリして振り返ったら、なんと相棒が水の中にうつ伏せに落ちていたのです…(゚д゚)!1.5メートルくらいの高さの岩から沢に落下!奇跡的に腰を少し打っただけ。ちょっと濡れたくらいで、他はどこもぶつけてなかったのが不幸中の幸いだったんですが、沢の中は岩がゴロゴロ!もし頭を打ったりしていれば大事に至るところでした…そんなことがあって、それ以来あまり使わない様になったという訳なんです。
最近、山岳救助隊の活動をまとめた本や、遭難事例が載った本を読んでみたんですが、その中に注目すべき内容がありました。やはり私の相棒と同じく、転落した複数の要救助者がポール(ダブルストック)を使っていて、「ストックに頼り過ぎていた為、転落してしまったのでは?」とレスキュー隊員が書いているんです。
崖っぷちを下っている時、ポールを突いた場所が脆くて崩れてしまった場合(あるいは浮石だった場合)、もし体重を預けていたら、そのまま転落してしまう事になりかねません。これまで自分自身がポールを使ってきて感じたのは、「体重を預けるような使い方はいけない!」と、頭では解っていても、下りではいつの間にか体重を乗せてしまっているという事なんです。
小屋番を勤める人や、登山道を管理している団体は、「ストックによる登山道の崩壊が急激に進んでいる」と警鐘を鳴らしています。
こうした理由から、なるべくポールを使わない山歩きを心がけようと思うようになりました。(場所と状況によっては有効なので、その時は使いますよ!)
そうなんですか~
私もトレッキングポールを使っているのですが・・・
当初は膝の負担を避けるために使用していましたが、今は完全に癖になっている感じもあるので・・・
取りあえず軽い山は無しで登ろうかな^^;
by 水鵬 (2012-05-11 19:32)
水鵬さん こんばんは!
ポールが悪者のような言い方をしましたが、要は人間の使い方の問題であって、ポールのせいではありません。登山道が傷む件は、ぬかるんだ場所での使用は控えるとか、先端にキャップを付けて使うとか、一本だけにするとか、登山道になるべく負担をかけない使い方をすればいいと思います。特に必要を感じてないのに、皆持ってるからと半ばファッションで突いて歩く様な使い方はNG!ですかね…
by teppan (2012-05-11 21:28)