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【鈴鹿】 藤原岳 駆け足の春を追って2018/3/29 [山歩き・ウォーキング]
この日は先週雨で中止になった鈴鹿山脈・藤原岳へ出かけてきました。花の百名山のひとつです。
藤原岳・展望丘南斜面に咲くフクジュソウ
藤原岳・展望丘南斜面に咲くフクジュソウ
場所・山行日 | 「藤原岳:ふじわらだけ:1140m展望丘ピーク」2018年3月29日 三重県いなべ市・滋賀県東近江市 境 |
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ルート | 大貝戸登山口~西藤原駅-東藤原駅~北勢町別名・入山口 ~(孫太尾根)丸山~草木~多志田山~藤原岳展望丘~藤原山荘 ~(表道)8合目分岐~大貝戸登山口 |
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歩行距離 | 17.7Km(平面距離) 内3.5Kmは電車移動 | ||
標高差 | 東藤原駅~入山口+74m 入山口~丸+410m 丸山~多志田山+305m 多志田山~展望丘+175m 展望丘~藤原山荘-50m 藤原山荘~大貝戸登山口-920m |
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所要時間 | 09時間26分 05:39~15:06 (休憩・昼食時間含む) Google earth俯瞰図はこちら |
3月中旬から一気に暖かくなり、麓ではカタクリもサクラもすでに満開。春は駆け足で通り過ぎてしまいそうな勢いです。花の命は儚いもの(ephemeral)、はたして藤原岳の妖精達は微笑んでくれるのでしょうか?
そんな私達の心配をよそに、現地では多くの花に会うことができました。
大貝戸登山口スタート。朝5:40ですがすでに車が停まっていました。
西藤原駅で電車に乗ります。SLを模した駅舎がかわいい!背後の山が藤原岳です。
となりの駅前公園にはミニ鉄道の軌道がありました。桑名工業高校の生徒さんにより、「桑工ゆめ鉄道」が運行されています。http://www.mie-c.ed.jp/tkuwan/kuwatech-train/index.html
時刻はAM5:50 この時間帯は駅員さんが居ません。券売機もないので、運賃は車内で車掌さんに渡します。
約6分で東藤原駅に到着。途中電車はセメント工場のド真ん中を突っ切ります。この三岐鉄道はコンクリート会社の資本で設立されたもので、工場の構内を通っているというわけです。
東藤原駅 まだ真新しいお洒落な駅舎ですね。
これから歩く孫太尾根と藤原岳 東面は大きく削られて痛々しい
この山を歩く方は良くご存じですが、藤原岳はセメント原料の採掘により東面が削られて無残な姿となっています。イヌワシの確認によって一時期自粛されていましたが、数年前に環境アセスが済み、この先50年間の採掘が認められたようです。先に紹介しました「藤原岳の自然を守る会」ブログではこの件について多くが割かれています。この1年で開発が活発化し、東端にあった三角点が廃点となりました。藤原岳に隣接する御池岳までの広い範囲をこの企業が所有しているとのことで、将来広い範囲で山体が変化する可能性があります。秩父の「武甲山」も同様ですが、できうる限り開発は最小限にとどめて欲しいと願うばかりです。
参考ページ:三重県環境アセスメント↓
県道を歩いて取り付きへ 歩道はないけど交通量が少ないのが救いです。
多志田川の橋を渡って西へ右折し、林道を歩いて”上平ため池”通過。
どなたが祀られているかは分かりませんが、手を合わせておきました。
やがて林道はゲートで行き止まり。左手にある別の林道へ入ります。
その林道も間もなくゲートで通行止め。ここから左手にある尾根に取り付きますが、いきなり急登です。
このあたり一帯はセメント会社(現・太平洋セメント)の所有地。
急ですが歩きやすい尾根です。
北勢町新町からの「お墓」ルートとの合流地点。
トリカブトが生える尾根を行く。
開放的な孫太尾根。谷間に見えているのは青川峡キャンピングパークのコテージ群、谷間をはさんで反対側が竜ヶ岳の遠足尾根です。
西側には鈴鹿主稜線に連なる静ヶ岳と銚子岳、その右が治田峠です。
オモトの実とトリカブトの新葉。
尾根上のピーク、丸山頂上。この周辺には野草の花が多くあります。
ミノコバイモ・ヒロハノアマナ・セツブンソウ(葉のみ)のトリプルコラボ。
ミノコバイモの葯は白いです。田中澄江さんがこの山で見かけた花がこれ。花の百名山ではアワコバイモと紹介された様ですが、アワコバイモの葯は褐色だそうです。
キセルガイの一種 石灰岩質の山ならではですね。
ミスミソウの葉です。三角形が三つ繋がった形、特徴が良く現れている個体ですね。
一般的に「雪割草」とはオオミスミソウ、ミスミソウ、スハマソウ、ケスハマソウなどの総称との事です。サクラソウの仲間にも「ユキワリソウ」があり、これと区別するため漢字で表現しているそうです。フクジュソウも雪割草と呼ばれますし、どれも早春に雪の中からいち早く花を咲かせる姿がそう呼ばせる理由です。日本海側に分布するオオミスミソウは色柄に変化が多く、園芸種はそれを改良したものだそうです。
草木ピークへ続く尾根道、脇にカタクリやアマナがあって踏みつぶしてしまいそうです。
藤原鉱山 サイレンや重機やダンプの音が聞こえてくる。
今日は乾燥していましたが、濡れると厄介な石灰岩の山特有の泥濘みやすい土質です。
多志田山の登り、急なので辛いです。
必死に登ったのに、ここからまた下り^^; 縦走なのでアップダウンは付きもの。
残る雪渓はもうわずか 雪の多い冬でしたが融けるのも速かったですね。
前方に藤原岳の展望台 最後の登りが超キツイです。
多志田山分岐 今日歩いた孫太尾根は「難路」表示ですが、今は易しいルートです。トラバース道(治田峠表示方向)の方が危険。
展望台(展望丘)下の県境稜線・南斜面の福寿草群生地(写真)ですが、鑑賞に訪れるハイカーの踏み跡が四方に広がり、このままだと生育に支障が生じるのは確実です。極力東寄りの尾根筋を通行するようお願いできたらと思います。孫太尾根の丸山付近もそうですが、表道8~9合目と同様にロープ規制が必要だと感じました。
セツブンソウとフクジュソウ
開発により廃点になった三角点「袴越」付近は真っ平らに。重機が入って掘削の準備段階のようです。遠くの山並みは養老山地。
登って来た孫太尾根を見下ろす。長大な尾根は花の道でした。前方に伊勢湾があるのですが、春霞で見えません。
写真には写っていませんが、平日の今日もハイカーで大賑わい、花の時期はすごいです。ちょうどグループが撤収したので、すかさずこのテーブルでランチ。
山頂(展望丘)を後にします。ここ藤原岳は広い山頂部を持ち、ピークを複数持っています。
後方のピークが展望丘。
藤原山荘 ここから表道を大貝戸へ下ります。
表道九合目付近まで下ってきました。
ここからしばらく福寿草パラダイス。
フクジュソウのアップ 中心の緑色が実になる部分。微かですが良い香りがする花です。
葉裏に毛があるかどうかが見分ける特徴だとか。エダウチ→毛あり シコク→毛なし
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【福寿草について】
「藤原岳」を代表する春の花ですが、田中澄江氏がここを花の百名山に選んだ理由は福寿草ではなくミノコバイモ(著書ではアワコバイモ)、ちょっと意外ですね^^
・日本の自生種はこれまで1種類とされていたそうですが、現在は4種に分類されているとのこと。そのうち藤原岳で確認されているのは、
(エダウチ)フクジュソウとシコクフクジュソウの2種。
参考ページ:「藤原岳の自然を守る会」ブログ
「シコクフクジュソウAdonis sikokuensis Nishikawa et Koji Itoを三重県鈴鹿山系にて2カ所で記録」→https://mamorefmt.exblog.jp/20035373/
・福寿草に関連した興味深いレポート
開花条件は日光ではなく、気温が8度を超えた時。温度傾性(傾熱性)
参考ページ:岐阜県まるごと学園→http://gakuen.gifu-net.ed.jp/
興味がある方はトップページから下記の順に辿ってみて下さい。
高等学校→理科(全般)→高校実験講座→春咲き植物の花の開閉運動と傾熱性
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8合目・聖宝寺ルート分岐地点。この日下ってきた夏道は雪崩の危険があり、積雪期に山頂へ行くにはここから冬道を使います。
案内板の横にあった数字。”100”は積雪メーターかな?
歩きやすい山腹道のジグザグ道をひたすら下って、
麓の神武神社で下山の報告。ありがとうございました。
大貝戸の無料休憩所に着きました。今日も無事帰ってこられました。
麓の大貝戸集落にある誓願寺のハクモクレン?の大木 見事でした。
帰りに六石温泉で汗を流す。”こぢんまり”としてレトロな雰囲気の温泉。空いているのでお気に入りです。
夕暮れせまる竜ヶ岳と藤原岳。
以下この日見かけた花の写真です
(コバノ?)ミツバツツジ
(コバノ?)ミツバツツジ
コショウノキ
トリカブトの新葉
ヒメウズ
カテンソウ
ミドリハコベ
タチツボスミレ
ダンコウバイかシロモジかアブラチャンか?
ヤマネコノメソウ
ミノコバイモ
ヒロハノアマナ
ミスミソウ
アセビ
セントウソウ
ミヤマカタバミ
ミスミソウ
オニシバリ
セツブンソウ
(エダウチ)フクジュソウ
(登山道情報)
孫太尾根~大貝戸表登山道の周回
孫太尾根~大貝戸表登山道の周回
【大貝戸~東禅寺】三岐鉄道三岐線利用
西藤原駅~東藤原駅 2駅170円 下り始発AM5:31 ダイヤほぼ30分に1本
東藤原駅から北勢町別名の入山口まで約3.5Kmの車道歩き
【孫太尾根~展望丘】
案内はありませんが、良く踏まれた尾根道です。
多志田山南面と展望台南面は急です。雪解けや雨天はスリップ注意。
【藤原山荘~大貝戸登山口】
良く整備されて分かりやすい道です。雪解け時や雨天はスリップ注意。
(周辺情報)
藤原岳自然科学館(藤原文化センター内)いなべ市藤原町市場493-1
藤原岳自然科学館(藤原文化センター内)いなべ市藤原町市場493-1
開館時間:午前9時から午後5時
休館日 :月曜日・火曜日(祝日は開館)
阿下喜温泉あじさいの里 http://ajisainosato.com/
営業時間:11:00?21:00(最終受付20:30)
入浴料金:平日550円 土日祝650円
休業日:毎週木曜日(祝日の場合は翌平日)
※モンベルクラブ会員特典:入浴の方にタオルプレゼント(会員のみ)
※産直コーナー併設
六石温泉 あじさいの湯 http://www.rk-hotel.com/hotspring.html
六石高原ホテルの右隣(端っこ)にあります
営業時間:月曜日~金曜日 16:00~22:00(最終受付21:30)
土・ 日曜日・祝日 13:00~22:00(最終受付21:30)
入浴料金:800円(バスタオル/フェイスタオルのレンタルを含む。※ソフトドリンク1杯無料サービス ※タオル・ドリンク無しは200円引き)無休
※モンベルクラブ会員特典:入浴料100円引き(会員のみ)
タグ:鈴鹿の山
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