鈴鹿の奥座敷 イブネ・佐目峠 テン泊山行 後編 2016/5/18～5/19

　鈴鹿山脈の奥座敷イブネの山行きレポートの後編です。

　佐目峠付近から眺める朝焼けの国見岳、御在所岳、鎌ヶ岳（左から：写真クリック拡大表示）

 

 

場所・山行日	「イブネ 1160m・佐目峠：さめとうげ」　2016年5月18（水）～5月19日（木） 滋賀県東近江市甲津畑町・佐目町　境
ルート	【１日目】朝明Ｐ～中峠～水晶岳（往復）～（下水晶谷）大瀞～お金明神～お金峠～作ノ峰 ～高岩～ワサビ峠～クラシジャンダルム～クラシ～イブネ～佐目峠（泊） 【２日目】佐目峠～御池鉱山旧跡～コクイ谷出合～根の平峠～ブナ清水～（池の尾） ～児玉山荘～朝明Ｐ
歩行距離	【１日目】12.0Km/14.6Km（平面/沿面）　　【２日目】8.4Km/9.8Km（平面/沿面）
標高差	【１日目】朝明Ｐ～中峠+390m 　　中峠～水晶岳+-115ｍ　　中峠～大瀞-180ｍ　　 大瀞～お金峠+200ｍ　　お金峠～イブネ+300ｍ　　イブネ～佐目峠-110ｍ 【２日目】佐目峠～コクイ谷出合-300ｍ　　コクイ谷出合～根の平峠+50ｍ　 根の平分岐～ブナ清水+170ｍ　　Ｐ946独標～朝明Ｐ-500ｍ
所要時間	【１日目】8時間57分　6：59～15：56 （休憩・昼食時間含む） 【２日目】5時間04分　7：24～12：28 （休憩時間含む） 実測ルート図はここをクリック！　　　Google earth俯瞰図はこちら

 

　鈴鹿山脈にあるイブネのテント泊山行。前編はクラシに到着したところまででした。続きの後編です。

　前編記事はこちらをクリック

　クラシの台地に到着した後、次はイブネへ向かいます。写真は振り返って見た鈴鹿山脈最高峰・御池岳。

 

 

　広々とした台地にポツンとクラシの一本ブナ。遠くからでもよく目立ちます。PM3:24

 

 

　クラシから鞍部に下って、次は前方に見えるイブネの北端を目指す。（写真クリックで拡大表示）

 

 

　コケとアセビの台地。写真はヒカゲノカズラ。

 

 

　クラシ方向を振り返る。一本ブナが立っているのがわかりますね。

 

 

　コケにも花みたいなのが着いています。

 

 

　北端からさらに南へ進むと、雨乞岳の巨体がドーン！と目の前に現れた。（写真クリックで拡大表示）

 

　苔コケとアセビの台地。２０年ほど前は笹ジャングルだったそうですが信じられませんね。その名残か？背の高いアセビの中に、笹が守られる様に残っていました。

 

 

　東側には御在所岳と鎌ヶ岳。鈴鹿中部の名峰達です。

 

 

　ここがイブネの最高点（1160m独標）　とにかくだだっ広い平原なので、どこが山頂だか良く分かりません。台地状の山頂と言えば鈴鹿北部にある御池岳が真っ先に思い浮かびますが、ここの雰囲気はまるで違います。なぜかここに佇んでいると、とても落ち着くんです。PM3:38

 

 

　この時期、標高1000mを越えている場所ではシロヤシオが満開でした。

 

 

　青空とシロヤシオ（写真クリックで拡大表示）

 

 

　イブネを過ぎて佐目峠へ下ります。解放感、朝夕焼け、星空を楽しみたいならイブネの山頂台地に泊まった方がベストですが、水場が近い事や、鈴鹿で五指に入る風情がある峠ということで、佐目峠にぜひ泊まってみたかったのです。

 

 

　このおしりの様な岩が佐目峠のシンボル。写真はちょうど岩から真南の方向を撮ったものです。佐目峠の西側には佐目子谷があり、その流域にもよい雰囲気の２次林が広がっています。PM3:52

 

 

 

　おしり岩から南に７～８０ｍ程下ったところの沢です。ここで水の調達。

 

 

　真っ先に今夜の燃料を冷却しておきます。^^;

 

 

　そのまま飲んでも問題ないと思うんですが、せっかく持ってきたので浄水器でせっせと濾過作業。明日の分も含めて６リッター分作りました。明日の行動用の水は念の為、煮沸後冷ましてから、この日飲んで空になったペットボトルに充填しておきました。

 

 

　設営完了したテント。　今夜の宿はブナの木の下です。草地でフカフカしていて寝心地よかったですよ。

 

 

　設営も一段落したので、ブナの木に乾ぱ～い！　う～ん美味しい！サイコー^^ PM5:05

 

 

　今日はここに泊まって、帰らなくても良いのがホント嬉しい。もう疲れ果てて動きたくないのが本音^^;

 

 

　ヤマメシは凝った料理は面倒なので、短いパスタを茹でてトマト味の素を放り込んだだけ。ちょっと水分が多かった…　当然捨てる訳にはいかないので、茹で汁まで全て完食。お塩持ってくれば良かったな^^; PM5:55

 

 

　夕焼けを眺めに見晴らしの良い場所まで移動。北西の空。

 

 

　イブネもだんだんと薄暗くなってきました。

 

 

　これが佐目峠付近から見た、暮れていく鈴鹿の風景。PM6:55（写真クリックで拡大表示）

 

 

　隣り合うブナとミズナラの木に物干しロープを張らせていただきました^^

 

 

　クワックワックワッ！と鳴くカエルの声を聞きながらワインでまったり。他にも色々な生き物の声が聞こえてきます。

 

 

　暗くなったので、もう一度峠付近の展望地へ。鈴鹿中部の盟主達と夜空です。この時間、ここに居なければ見ることのできない風景です。PM8:01（写真クリックで拡大表示）

 

 

　深夜目が覚めてしまったので星空撮影をやってみました。天の川も見えています。実は近眼なので、現地で直接見上げた際には、こんなに星があるとは気が付きませんでした。帰って写真を見て驚きました^^ AM3:10（写真クリックで拡大表示）

 

　そして早朝です。おしり岩から、朝陽に輝く雨乞岳。朝焼けの風景は記事冒頭の写真です。AM5:03

 

 

　昨日一日で随分くたびれた様子ですが、今日もヨロシクね～

 

 

　朝ごはんを済ませて撤収。名残惜しいけどブナに別れを告げて出発。またね！AM7:24

 

 

　杉峠方面には向かわずに、テント場から直接南東に流れる沢に沿って、テープ指標を探しながら下ります。

 

 

　下るに連れて、沢が周囲から何本も集まってきます。渡渉も何度もありました。

 

 

　やがて平で広々とした場所に出たら、写真の石階段がありました。下ってゆくと、

 

 

　杉峠に続く千草街道に出ました。石階段のあったあたりは「御池鉱山旧跡」で、昔周辺の鉱山関係者の子ども達が通う小学校もあったと書かれています。今見ると信じられませんね。「御池」と言うのは雨乞岳の山頂にある、あの池に由来する名の様です。AM7:52

 

 

　新緑の光を浴びながら、千草街道を根の平峠へと向かいます。（写真クリックで拡大表示）

 

 

　フタリシズカ　街道沿いでたくさん見かけましたが、まだツボミでした。

 

 

　杉峠からコクイ谷出合いまでの道は今回初めてですが、油断していると危ない個所もあるんですね。

 

 

　大木の葉っぱ。何の木でしょうか？　※調べてみたらトチノキのようです2016/5/23追記

 

 

　小峠への分岐地点みたいです。今日は行きませんが、ちょうど一年前、イブネ北端から小峠まで下りました。AM8:22

 

 

　ここから根の平峠までは神崎川を３回渡渉します。写真は１回目の地点。

 

 

　対岸のガレ地。採掘によるがけ崩れかな？

 

 

　神崎川とヤマツツジ

 

 

　写真が３回目の渡渉。次は上水晶谷の渡渉が待っています。AM8:41

 

 

　千草街道が高巻き道になってきた所の尾根分岐。昨年イブネから下った後に、ここから御在所岳へ歩きました。AM8:59

 

 

　街道沿いにあった杉の巨木。AM9:24（写真クリックで拡大表示）

 

 

　緑の光線を浴びながら根の平峠へ。

 

 

　峠直前の広場です。このあたりには、昔宿屋もあったということです。振り返るとイブネ（左）とクラシ（右）が見えました。

 

 

　根の平峠に到着です。休憩ベンチは左上にあります。AM9:35

 

　峠に咲いていたイワカガミ

 

 

　峠からさらに東へ下ったところの分岐。ここから右に入り「ブナ清水」へ向かいます。AM9:38

 

 

　伊勢谷に沿って急坂を登ります。（写真クリックで拡大表示）

 

 

　イワカガミを縫うように進む。

 

 

　ここも気持ちの良い谷です。昨晩の食料分は軽くなったはずなんですが、やっぱりテン泊装備は重いです。肩も痛いし^^;

 

 

　ようやくブナ清水到着。伊勢谷源流の一つで水量は豊富。流れ出る水は冷蔵庫並みの冷たさです。AM10:17

 

 

　ブナの位置図がありました。今居る場所から谷をはさんで南側の斜面にたくさんあるんですね。ブナ清水とは的を得た名前ですね。

 

 

　千草街道から良く目立つ946m独標ピークから、池の尾を使って下ります。入口が良く判らず適当に進んで尾根に入りました。AM10:52

 

　池の尾は痩せた急降下です。

 

 

　途中のザレ地から見た釈迦ヶ岳AM11:10

 

 

　岩場もあって慎重に下りました。それにしても息つく暇もない降下です。ここは登りで使った方が無難な様ですね。AM11:20

 

 

　途中分かり難い分岐がありましたが、伊勢谷小屋方面には曲がらずそのまま尾根を直進しました。

 

 

　こんな立て札がありました。散策道と言うにはハードな尾根ですが…

 

 

　痩せた尾根を下って鞍部に到着。ここから虎ロープのある尾根を登り返します。AM11:57

 

 

　ジシバリですかね？

 

 

　尾根のピークを振り返る。

 

 

　踏み跡のわかり難い斜面を下って林道に出ました。「朝明渓谷散策道Ｎｏ１２・炭焼きの小路」と立て札に書いてありました。PM0:16

 

 

　児玉山荘横に出ました。営業を止めて久しい感じ。

 

 

　ベニドウダンの赤い小さな花。可愛いですね。

 

 

　朝明の駐車場です。今回も無事戻ってこられました。鈴鹿の山の神様に感謝です。PM0:28
ここは色々なルートの拠点なので平日でも結構車が停まっていました。

 

 

　山後はアクアイグニス内にある片岡温泉で汗を流し、食事した後で四日市IC近くの酒蔵・伊藤酒造のショップ「慕蔵：ぼくら」へ行ってきました。PM3:56

 

 

　今夜はこれで一杯。冷でも燗でもイケル、コクのあるお酒です。

 

タグ：鈴鹿の山

コメント 4

お疲れさまでした。
それにしても、最高の天気でしたね。
自然に抱かれている感じで、とても贅沢な時間を過ごせましたね～
(^ー^* )フフ♪
by 水鵬 (2016-05-23 19:45) 

こんばんは水鵬さん

運よくお天気に恵まれたので、テント泊もやりやすかったです。
下界のことは全部忘れて自然に体を委ねる。それこそ最高の贅沢なのです！
なんちゃって(^^
by teppan (2016-05-23 23:49) 

こんばんはー。前編後編お疲れ様です（＾。＾；）。

テント泊登山ウラヤマシー！
こちらコンタクト目なんで野宿しづらいんですよね…。
１泊くらいならつけっぱでも問題ないかも知れませんが。
まあそもそも道具なんにも持ってませんし。

夜山で過ごすなんて最高に贅沢な時間！
星空、カメラの威力存分に発揮されていますね！
アクアイグニス一度は行っときたいなぁ、
あそこであれやるって尊敬しかない。
by teln (2016-05-25 22:51) 

telnさん、こんにちは
もう毎回アホみたいに長いレポート･･･
写真多過ぎだと解っちゃいるけど、こうなっちゃう（＾。＾；）。
テント泊は野生に戻った様な気分を味わえていいですね。ただ、自分の場合は山で夜空見上げてお酒飲みたいだけなのかもしれません(^^ゞ
星空はtelnさんのカメラも綺麗に撮れるはず。絞りとスピードがマニュアルで設定できれば可能ですよ。
by teppan (2016-05-26 10:26)