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天空のお花畑 北岳を歩く 後編 2015/8/20 [山歩き・ウォーキング]

 27年ぶりに歩いてきた南アルプス北岳ハイキングレポート。ひきつづき後編です。
北岳肩の小屋から仙丈ヶ岳
 北岳の肩から眺めた夕方の仙丈ヶ岳(写真クリックで拡大表示)

 


場所・山行日

北岳「きただけ:3192.52m・南アルプス」 2015/8/19~8/20
山梨県南アルプス市

ルート1日目:広河原~白根御池小屋~(草スベリ)小太郎尾根~肩の小屋
2日目:肩の小屋~小太郎尾根分岐~(右俣ルート)二俣~広河原
歩行距離1日目:6.0Km(平面)  7.8Km(沿面)
2日目:6.2Km(平面)  6.7Km(沿面)
標高差 

最大:1490m
広河原インフォ~二俣・御池分岐+160m  御池分岐~白根御池小屋+550m
御池小屋~小太郎尾根出合+610m  小太郎尾根出合~肩の小屋+180m
小太郎尾根出合~二俣-600m    二俣~広河原インフォ-720m

所要時間1日目:06時間25分 08:00~14:25(休憩・昼食時間含む)
2日目:05時間00分 06:20~11:20(休憩時間含む)
実測ルート図はここをクリック!   Google earth俯瞰図はこちら


 
 
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 前編では肩の小屋に到着した所までのレポートでした。その続きです! 前編はこちらをクリック! 
 
 
 
 
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 久しぶりのテントに戸惑いながらも無事設営完了。テント場と北岳山頂の様子です。(写真は設営後3時間後のもの)今日の小屋下のテント場は空いていて全部で8張りほど。
 
 実は肩の小屋に着いてテント設営が済んだのが午後3時。その日の内に山頂まで往復も可能だったんですが、疲れていたのと、水場の往復に40分かかってしまったこともあり、無理せず山頂は翌日にまわすことにしました。
 
 
 
 
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 今夜のお宿です。ここはペグは立たないので、張り綱はその辺の石に固定します。風が無かったのが幸いでしたが、しっかり設営しないとテントが飛ばされて使い物にならなくなることも良くあるようです。あと、明るいうちは虫がたくさん飛びまわっていて、開けておくと中に入ってきてしまうのにはちょっと困りました。
 
 
 
 
 
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 標高3000mだから当然ですが、肩の小屋は天水を溜めたものを滅菌して使っているようです。そこでテント場から15分くらい下ったところにある水場へ調達に行きました。(登る前からその予定でした)PM3:20
 
 
 
 
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 お花畑の中の急なジグザグ道を下っていくと、水場が見えてきました。先客がいらっしゃる様です。標高は2900mあたりでしょうか?
 
 
 
 
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 1斗缶が置いてあり、樋からチョロチョロと水が出ています。上部に雪渓は無く、かなり高所にある湧水です。(もしかして日本最高所?)PM3:30 
 
 
 
 
 
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 持ってきた容器に2リッター入れました。 これが今回自分へのお土産です。でも、おかげでせっかく軽くなったザックが当初より重くなってしまったのですが…^^;
 
 
 
 以下しばらく水場の往復で見かけた高山植物の写真です。ここのお花畑も素晴らしい!
 
 
 
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 テントの前に咲いていたイワギキョウ。 チシマギキョウとそっくりですが、違いは花が上向きなのと、花弁にヒゲが生えていないところ。
 
 
 
 
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 シナノオトギリ:信濃弟切  もしくはイワオトギリかも? 前編にも載せましたが、なんとも可愛らしいカラーリング!
ところが!この名前の由来は「この草が薬草であることを秘密にしていた兄が、秘密を漏らした弟を斬り殺した」という謂れからだって!花の可憐さからは想像もできないですね。ちょっとこの花が可哀そうな和名です。

 
 
 
 
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 これがキタダケトリカブトでしょうか? 山頂南東斜面に自生していると聞きましたが、草丈が低いのでもしかしたらこれもそうかも…
 
 
 
 
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 ミネウスユキソウ:峰薄雪草   スイスやオーストリアを代表する草、エーデルワイスに近い種類。(下写真も同じ) 
 
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 イワギキョウのつぼみかな?
 
 
 
 
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 これもたくさん咲いています。「ハクサンフウロ:白山風露」 伊吹山で見たものより色が濃い感じです。(下写真も同じ)


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 エゾシオガマ:蝦夷塩釜  
 
 
 
 
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 鮮やかな紫色は「タカネグンナイフウロ:高嶺郡内風露」 グンナイとは変わった名前です。調べてみたら、標本採取されたのが山梨県の郡内地方だからということです。(下写真も同じ)
 
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 ミヤマミミナグサ:深山耳菜草 
 
 
 
 
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 ミヤマコウゾリナ:深山顔剃菜
 
 
 
 
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 イワオウギ:岩黄蓍
 
 
 
 
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  ムカゴトラノオ
 
 
 
 
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 テガタチドリ:手形千鳥  ランの仲間だそうです。太い根が手のひら状になっていることから付いた名。
 
 
 
 
 
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 タカネシオガマ:高嶺塩釜 
 
 
 
 
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 水汲みから戻って再び肩の小屋に来ました。飲料水はセルフサービスで 1リットルあたり100円です。「洗顔や歯磨きに使う水も、買ってから使って下さい」と注意書きがありました。ドラム缶に天水を溜めているようですが、たまたまドラムの中身を見た相方が「とても綺麗だった」と言ってました。空気が澄んでいるからですね。
 
 
 
 
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 で、お待ちかねの生ビール! 3000メートル越えの場所で飲めるとは!良い時代になりました^^ PM4:12
 
 
 
 
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 ではいただきま~す^^♪ カップワインもね! 
 
 
 
 
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 東側はガスの中で何も見えません。ところが、ビールを飲みながらくつろいでいると… 
 
 
 
 
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 わずかな間だけでしたが、富士山が姿を見せてくれました! 本当は夕焼けの富士を見たかったんですが、見られただけでも良しとしましょう。
 
 
 
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 テント場から近いトイレです。一回使用につき100円を料金箱に入れます。トイレは山小屋の横にもありました。
 
 
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 こんな感じで、まだ新しそうでした。 
 
 
 
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 ぶらぶらしていてもちゃ~んとお腹は空いてきます。夕食は軽量化と荷物スペースの関係で写真の様に安直メニュー。追加でスライス餅+具だくさんのみそ汁+イワシ缶。山で食べるとなんでも美味しいです。食後は山小屋で調達したカップワインで乾杯~!PM4:56
 
 
 
 
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 これは? 以前に北岳を登った時に買ったMt.KITAマグカップ。 今回はコイツも27年ぶりに里帰り。これでドリップコーヒーを淹れました。
 
 
 
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 あたりはすっかり暗くなって… あとは寝るだけ。というか、疲れていつの間にか寝むってしまいました。シュラフも昔のやつで、さすがに高山では少し寒かったです。PM8:00
 
 
 
北岳北岳北岳北岳北岳北岳北岳北岳北岳北岳北岳北岳北岳北岳北岳北岳北岳北岳北岳北岳北岳北岳北岳北岳北岳北岳北岳北岳北岳北岳
 

 そして次の朝…
 
 
 
 
 深夜から降ったり止んだりの雨がテントを叩いていましたが、午前4時過ぎからけっこうひどくなって…
結局山頂へ行くのはあきらめて引き返すことにしました。(´・ω・`) 今思えば水汲みはあきらめて、昨日の内に山頂を往復しておけば良かったです… 残念ですが無理して登っても楽しくないので、またの機会にとっておくことにしましょう。
 
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 食事を済ませた後、雨が小康状態になったのを見計らって急いでテントを撤収! 下山開始します。AM6:17
 
 
 
 
 
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 相変わらず小屋の向こうの山頂はガスの中。
 
 
 
 
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 小降りの雨の中を下ります。晴れていれば前方に鳳凰三山が見えているはずです。
 
 
 
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 濡れた岩場は慎重に…
 
 
 
 
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 気温は12度C。カッパを着ているので寒くはありませんね。 
 
 
 
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 右俣・草すべりルートへの分岐地点です。AM6:47
ここから主稜線を離れて山腹の下りに入ります。途中からは往きに歩いた草すべりではなくて、右俣ルートに入りました。ここからまた例によって花を観賞しながらの歩きです。
 
 
 
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 コウメバチソウ:小梅鉢草    横の葉っぱはトリカブトのものです。 
 
 
 
 
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 こんなに色とりどりの花が斜面にちりばめられたように咲いています。植えたのではなく自生しているのは驚きですね!
 
 
 
 
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 トモエシオガマ:巴塩竃
 
 
 
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 右俣ルートをどんどん下って大樺沢の雪渓が見えてきました。
 
 
 
 
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 さらに下ると谷沿いの道になり、二俣の簡易トイレが見えてきました。何人か休憩しているのが見えます。ほんの一息ついてすぐに下っていきます。AM8:14
 
 
 
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 ヤナギラン:柳蘭  背の高い花です。紅紫の花は見応えがあって目立ちます!(下写真も同じ)
 
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 ハンゴンソウ:反魂草  キク科のキオンの仲間だそうです。葉の切れ込みが大きく、背の高い草。
 
 
 
 
 
 
 
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 左岸から橋を渡ってしばらくは右岸沿いの道になります。このあたりから樹林帯歩きになる。AM8:56
 
 
 
 
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 レイジンソウ:伶人草   雅楽を演奏する「伶人」が被っている烏帽子に形が似ているのでこの名前が付いたようです。
 
 
 
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 沢を何度か木橋で横断。 苔生した石が水の豊富さを物語っています。
 
 
 
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 これもシモツケソウのようですが、白い花もあるんですね!
※オニシモツケ:鬼下野 のようです。2015/8/24追記
 
 
 
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 最後に再び大樺沢の左岸に渡って、森の中を抜けると広河原山荘に到着しました。AM10:40
いやあ~疲れました!もうヘロヘロです(^^;) ここでしばらく休憩してから広河原インフォメーションセンターへ向かいました。
 
 
 
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 昨日はよく見えた北岳山頂もご覧の通りまったく見えません。AM11:18
 
 
 
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 バスの発車時刻まで時間があったので、インフォメーションセンターの2階で時間をつぶしました。広々としたフロアにはテーブルやベンチが置いてあり、食事をするグループもありました。 AM11:33
 
 
 
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 お天気はイマイチでも、バスからは登山客が次々降りてきます。有名な山はスゴイですね。北沢峠までのバス切符はセンター1階で購入しました。
 
 
 
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 そしてバスを乗り継いで仙流荘横のバス停に無事到着。PM13:45 写真の仙流荘のお風呂で汗を流しました。
 
 
 
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 まだちゃんとした昼食を食べていなかったので、ここで食事します。鹿ソースカツ丼¥1000- まあ特別美味いということはありませんが、まあまあ… 山の草花が鹿の食害に悩まされているそうなので、ほんの少しでも鹿肉食べて貢献しておきましょう。
 
 
 
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 仙流荘のフロントでおみやげと一緒に売られていた山用品。さすがは登山基地の宿ですね。 
 
 
 
 今回の山行き、登頂できなかったのも残念でしたが、一番心残りなのが山頂南東斜面のお花畑に行けなかった事です。それでも高山植物をたくさん見られたので雨を覚悟で出かけた甲斐がありました。 心配された重い荷物を担いでの上り下りも、牛歩ではありましたが挫折せずに何とかクリアできたので、それもまた自信になりました。北岳へはいづれまたリベンジしたいと思っています。
 

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コメント 4

水鵬

いや~お疲れ様でした!
まるで自分も登った気になりましたw
山頂は残念でしたが、これも次回の楽しみって事で^^b
それにしても本当に沢山の花が咲いているんですね~
ソースカツ丼は鹿なんですね~
先日行った「ハイランドしらびそ」での夕食では1000円プラスで山定食と言うのを頼んで、馬刺しと猪肉鍋と鹿肉のたたきが出てどれも本当に美味しかったですよ~ 特に鹿肉のたたきは絶品でした。
やはり鹿駆除に一役買おうと思って食べましたが、これなら毎日でも!って感じでしたw
いつか山小屋泊りで登ってみたいな~(*´∀`*)
by 水鵬 (2015-08-24 19:59) 

teppan

水鵬さん>こんばんは!
北岳は花がたくさんあって、まるで花壇の様です。
伊吹山も花が多いですが、もっと広い範囲に高山植物が咲いています。
山頂は今回仕方なかったですが、残念だったのは山頂の南東斜面にあるお花畑を歩けなかったことですかね。そこにはまた違った花が咲いているんです。
そして南アルプスも鹿に脅かされているようです。狼が居なくなり、もう捕食者は人間だけですから、美味しく食べられる料理法が普及すれば問題解決の一つにはなると思うんですがね。

百名山や高山は人が多いから避けてきましたが、良い山には違いないので、混まない時期をねらって歩けたら楽しいですね!

by teppan (2015-08-24 23:30) 

teln

夏の高山堪能してらっしゃいますね!!

写真がいつにもまして素敵に見えます。
カメラはソニーRX100M3だったんですね。
コンデジでいい写りのやつ調べるとすぐたどり着くのが
RX100シリーズだったんで、ああそうか、と納得。
ただ自分には初代機にしたって少々高い&厚い、
VGAでしか撮らないし過剰スペックのような気もするので
ちょっとないかなーという方向感。今のところ。

シカはどこでも増えているようですね。
ニホンオオカミ、どこかで生きていてほしいなあ。
by teln (2015-08-31 23:41) 

teppan

telnさん>こんにちは!

高山堪能といいますか、お天気が思うようにならなくて少し残念でしたが、まあ、いづれまた出かけてみようかと思っています。

RX100ですが、欠点は小さいのに重いのと、ちょっと厚いのと、接写がまるでダメな点ですかね。写真の用途ははぼブログ用。その点ほとんどがVGA以下の解像度でしか使ってないので、用途からすると軽くて接写に強いコンデジの方が向いてるのは間違いないのですが…(^^;)

ニホンオオカミ 剥製でしか見たことないです。
by teppan (2015-09-02 11:22) 

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