千畳敷から宝剣岳&三ノ沢岳 2014/10/1 [山歩き・ウォーキング]
中央アルプス三ノ沢岳。主稜線から距離を置く孤高の峰。その堂々たるシルエットが登高意欲をそそる!
場所・山行日 | 中央アルプス 「三ノ沢岳:さんのさわだけ:2846.48m」・「宝剣岳:ほうけんだけ:2931m」 2014年10月1日(水) 長野県駒ヶ根市・宮田村・上松町・大桑村 境 | ||
ルート | 千畳敷・剣ヶ池~乗越浄土~宝剣岳~三ノ沢岳(往復)~極楽平~千畳敷 | ||
歩行距離 | 8.8Km(沿面距離) | ||
最大標高差 | 約320m | ||
所要時間 | 08時間12分 07:30~15:42 (休憩・昼食時間含む) 実測ルート図はここをクリック! Google earth俯瞰図はこちら |
昔々宝剣岳の頂に立った青年がおったとさ… その時、稜線から眺めた三ノ沢岳に一目惚れ。必ず会いに行くと約束したそうな… とは、何を隠そう私のこと(#^^#) あれから丸25年… ようやく約束を果たす日がやってきました。
中央アルプスは前衛峰が無く、いきなり3000メートル近くまで立ち上がるとても険しい山岳地帯。しかも気象の変化が激しく玄人だけが稜線に立つことができる場所だったそうです。1967年に駒ケ岳ロープウェイが開通してからは一般の観光客でも森林限界越えまで一気に行けるようになりました。おかげ様で普段は軟弱登山ばかりの私でさえ簡単にアプローチできるというわけです。
自家用車で菅の台バスセンターまで走って、はやる気持ちを抑えながらバスに乗り込みます。AM6:15
チケットはバス・ロープウェイ往復・大人¥3900。 平日だから人も少ないだろうと思っていたらとんでもない!バスを待つ人で長蛇の列… 始発時刻前に臨時バスも出ました。
バスに揺られて約30分。次はロープウェイに乗り換え千畳敷へ。AM7:07
しらび平駅からたったの7分で着いてしまいます。 ロープウェイで登って行くと間もなくガスの中に飲み込まれ視界はゼロ。う~ん… ところが乗客の歓声で窓の外を見ると、視界が開けて錦に彩られた山が目に飛び込んできました!
千畳敷では実を付けたナナカマドが綺麗に色づいています。一足早い高山の紅葉は素晴らしく期待通りでした!
八丁坂とナナカマド
皆さんから出尽くしてる感がありますが、定番・秋の千畳敷カールをどうぞ
剣ヶ池からの千畳敷パノラマ (クリックして拡大写真をご覧ください!)
八丁坂を登ります。すれ違った人から昨日は終日晴天で素晴らしかったと聞きました。ヤマテン予報によると、今日は午後からガスがかかるとのこと。AM8:10
八丁坂の途中から見た「オットセイ岩」。 言われてみればそう見えますね。
剣ヶ池から標高差約250m。ジグザグに急斜面を登って「乗越浄土:のっこしじょうど」に着きました。AM8:32
調べてみたところ、昔はここから宝剣岳を通って南へ稜線伝いに歩くのは至難の業だった。そこで一旦この場所から千畳敷まで降りて極楽平まで登り返すのですが、山腹はハイマツ帯で枝に逆らうように登るのは大変だったことから、苦労の末登り返した場所を「極楽」と名付けたそうです。それになぞらえて営林署の人がこの場所に「浄土」という名前をあてたとのことです。
宝剣山荘(写真)を後にして宝剣岳へ。今日は三ノ沢岳がメインなんですが。せっかくなので先に宝剣に寄ってから向かうことにします。後方に見えるピークは中岳。
木曽駒ケ岳(左奥)と中岳(右) 建物は宝剣山荘(青屋根)と天狗荘(赤屋根)
乗越浄土からは岩場の尾根が続きます。写真の地点は切れ落ちた谷の先端を横断するところ。足がすくんでしまう様な場所ですが、鎖がしっかり設置されているので落着いて通過すれば問題ありません。ただ、落ちれば当然命はないので慎重に…
宝剣岳山頂です。AM9:14 25年前に来た時は一番上に立ったのですが、岩の角がすり減って手がかりがなく、滑りやすくなっているので怖くて断念。この位置で記念撮影。(^_^;
残念ながら今日はガスが多く遠くの山は見えませんでした。
宝剣山頂からは稜線をさらに南へ向かいます。岩場の連続で気が抜けません。
写真の張り出した岩は千畳敷からでも判ります。この岩の先端に立った記念写真を見たことがありますが、とんでもないですね…(((( ;゚Д゚)))
垂直に見える岩場。下りだと怖いけど今日は登りで通過します。ちょうど水色シャツの人が下ろうとしてますね。 AM9:40
登りなら足場もしっかりしているので、たいして難しくありません。
このルートは岩場でアップダウンの連続。今日の様にコンディションが良い日なら難度は高くないですが、落ちればあの世行きの地点は数多く、くれぐれも油断はしない様にと自分自身にも言い聞かせる。今日は日帰りにしてはちょっと荷物が重かった…
三ノ沢岳の分岐地点に着きました。緊張の連続から解放されホッと一息、越えて来た宝剣岳をふり返る。AM10:07
分岐から三ノ沢岳へ続く稜線へ入ります。ハイマツ帯の中に切られた道をどんどん下る。
木曽駒・中岳・宝剣の中央アルプス表銀座と比べて、この尾根道はものすごく人が少ないです。それは行程が長いから。三ノ沢岳の標高は2846mで主稜線の山々と遜色ない高さ。山頂に行くためにはアップダウンを繰り返しながら最低鞍部まで標高差約200メートル下って、再び200メートルの登り返し。帰りは同じ道を戻らなくてはいけません。はたして体力が持つでしょうか?AM10:42
伊奈川源流の谷。千畳敷の紅葉は有名ですが、こちら側もなかなかどうして素晴らしい!
チングルマの綿毛。毛の根元に種が付いており、風で飛んでいくんですね。この季節は紅葉しています。
千畳敷とは反対側から見た木曽駒ケ岳・中岳・宝剣岳。新鮮ですね。一番右端に写っているピークはここまで来る途中通過して来た地点です。
真っ赤で鮮やかな草紅葉。ガンコウランの緑とウラシマツツジの紅のコントラスト。
ハイマツの尾根道を漕ぐように進む。大きく見える三ノ沢岳には行けども行けどもなかなか近づかない… AM11:08
振り返って見た島田娘(島田娘ノ頭)。 雪解けの頃伊那側からこの峰を見た時、「島田髷」を結った女性に見える雪形が出るのでこの名前になったそうです。
三ノ沢岳北東部。広々とした尾根に遭難慰霊碑がありました。1970年に宝剣で亡くなった人を含む計3名の名が刻まれている。PM0:00
主稜線から約2時間20分でようやく三ノ沢岳の山頂に到着しました。 三等三角点があります。ここで昼食です。PM0:25-1:05
三角点のすぐ隣の岩場が最高点。360度展望が素晴らしいそうですが、今日は残念ながらガスに包まれてほとんど見えません。
三角点前にある平らな岩に立って見た南西方向の景色。雲の切れ間に撮影。 ガスに阻まれて眺めは堪能できませんでしたが、三ノ沢岳山頂の雰囲気はとても気に入りました!人が少なく静かな山旅が楽しめるおすすめの山。
山頂でゆっくり休憩してから来た道を戻ります。「行きはよいよい帰りは怖い」。思い返すだけでウンザリしてきますが戻らないと帰れません。^^;
最低鞍部は過ぎましたが、このあたりでかなり疲れてきました… 相変わらずガスが掛かっています。
かわいい花ですがなんでしょう。
※シラタマノキというツツジ科の低木。これは花じゃなくて実なんですね。2014/10/4追記
あともう少しで主稜線です。(´Д`)=з
ようやく分岐地点に戻ってきました… ベンチに座って景色を眺める人をよそ眼に休まず極楽平へ。PM3:05
サギダルの頭を左手に見ながら稜線歩き。先の鞍部が極楽平。前方のピークは島田娘。
極楽平です。ここを左に折れて階段道を千畳敷まで下ります。PM3:14
極楽平から見下ろすホテル千畳敷とロープウェイ駅舎。
日が西に傾いて日陰になっちゃいましたが、こちら側の斜面のナナカマドが一番きれいでしたね。それにしても極楽平からの階段道の長いこと長いこと… 太ももの筋肉痛が始まっちゃってもうヘロヘロです。^^;
神社の前に到着。もうクタクタ… お礼の参拝をして駅へ。ロープウェイは30分間隔。山道を下る最中にもロープウェイの出発アナウンスが聞こえて来るので気が急いちゃいました。
夕方の千畳敷。朝と違って静けさを取り戻していました。あのギザギザの稜線を歩いてきたんですねえ!PM3:42
充実感に浸りながら16:00のロープウェイに乗車して下界へ。
ロープウェイのゴンドラからも紅葉がきれいでした。写真の様な滝も幾つか見ることができます。
しらび平からは16時20分の定期バスで駐車場まで戻りました。
25年ぶりの中央アルプス。久しぶりでしたが以前と変わらない姿でした。変わったのは空き缶などのゴミが無くなって綺麗になったことでしょうか。空木岳、南駒ケ岳、越百山など魅力的な山がたくさんありますから、またぜひ挑戦してみたいですね。
山歩き終了後は?
菅の台バスセンター近くの「こまくさの湯」で疲れを癒し、
明治亭・中央アルプス登山口店でソースかつ丼を食べてから帰路に着きました。
T)28,413 b)594 k)9230 L)1470 g)4320 D)4129 m)7450 o)1220
(ノ゚ο゚)ノ オオォォォ-
御獄がアレだったので、千畳敷ですか!!
羨ましいチョイスですね!!
憧れの山です。。。。
でもこの時期土日はきっとすごい人だと思うので・・・^^;
パノラマ写真は圧巻すぎて保存しちゃいましたよ~
夢の様な風景ですよね。
羨ましい・・・・
いつか嫁と行きたいと思っています^^b
いや、必ず!!
by 水鵬 (2014-10-03 19:56)
水鵬さん>おはようございます!
千畳敷行ってきました!今年の紅葉は良さそうです。
夏のお花畑も素敵ですので、機が熟したらぜひ行ってみてください。
ちなみに、三ノ沢岳は行程が長いのが難ですが、とても良い山です。
by teppan (2014-10-04 10:18)
こんにちは!
三ノ沢岳やっぱりいいですね。あの異空間に行くたびに惹かれてますが、長さとアップダウンが気になって行く勇気が出ないでいます。
来年あたり思い切って行ってみようかな…と思いました。
それにしても久しぶりだったんですね。25年ぶりでしたか!? きれいになってるのは、ハイカーのマナー向上ということでしょうか。
by horoyoi (2014-10-04 15:09)
horoyoiさん>こんにちは
ちょうど一年前にhoroyoiさんが歩かれた時は素晴らしい紅葉の様でしたね。
今年の千畳敷もなかなかでした。
三ノ沢岳はアップダウンが大きい分、変化に富んだ山歩きが楽しめます。
ハイマツ帯、岩場、お花畑、痩せ尾根あれば広々とした尾根あり、
中央アルプス、南北アルプス、富士山、御嶽乗鞍、恵那山など360度展望。
とにかく眺めが良いそうです(この日は雲でダメでしたが…)
それに、なにより静かな山頂がいいです。
山にドップリと浸ることができる、中央アルプスの奥座敷ってとこですかね。
登山者だけでなく一般観光客も稜線まで上がってきますから、
25年前は空き缶がいっぱいでした。(その時点ですでに古いものばかりでしたが)
空き缶が無くなったのはやはりマナーが向上したのだと思います。
by teppan (2014-10-04 18:15)