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西三河・里山の草花達 2014/6/5 [山歩き・ウォーキング]

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 ヤブムラサキの葉。表裏全面に細かい毛がビッシリ生えていて、触ってみると滑らかで肌触りが素晴らしい!

 

 今日は草花講座の最終回。愛知県西三河地方の山林にはどんな花があるのか? 実際に観察しながら歩いてきました。
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 手にしているのは「ヤブムラサキ(藪紫):シソ科」の葉。かわいい花が着いています。
庭先によくある「ムラサキシキブ」の仲間で、大きめの紫色の実が着きます。本種はその実が下向きに生り、見栄えが良くないので観賞用には利用されないそうです。講師に言われて葉を触ってみると、手ざわりがとにかくいいんです!見かけたらぜひ触ってみてください。

 

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 「イボタノキ(水蝋ノ木):モクセイ科」 甘く強い芳香があるのはモクセイ科の特徴。江戸時代にはこの木に着くカイガラムシの分泌物から「イボタ蝋」というのを採って輸出していたそうです。その蝋をアナログレコードに塗るとスクラッチノイズが減らせるとか!知りませんでしたね~

 

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 手の入らなくなった真っ暗な植林を徐々に間伐して林床に光が届くようにした結果、色々な草本類が復活してきたそうです。

 

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 この季節、山を歩いているとよく見かける「コアジサイ(小紫陽花):アジサイ科」
鼻を近づけてみると… おお~っ!とっても良い香りがします!いままで匂いなんて嗅いだことがなかったので意外でした。ガクの部分が無く、純粋に花の部分のみの集合体になっています。ルーペで拡大してみると、色も造形も素晴らしい!観賞用に植えても栽培できないそうで、3年でダメになってしまうとのこと。

 

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 「シソバタツナミ:(紫蘇葉立浪):シソ科」
花が大波みたいな形なので「タツナミソウ」。その中で、葉裏の葉脈が紫色をしているのが本種。

 

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 そしてこの白いコップ洗いみたいな花をつけているのが「シライトソウ(白糸草):ユリ科」。
手入れをすれば人工林にもこうした草花が甦ってくるということを証明する存在。地面すれすれに葉が開いていて、これは同じ科の「ショウジョウバカマ」と同じです(ロゼット葉)。

 

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 講義の見本に用意されたシライトソウの花穂。長さは15~20センチくらい。 緑の葉はハナイカダです。 


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 シライトソウ花穂の拡大写真。複数の花の集合体です。ユリの仲間の特徴として、シベや花弁などが3の倍数になっている。パッと見何でもないような花でも、拡大してみると面白い造形をしていますね。

 

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 これは花の香りを確かめているところ。「匂いを嗅ぐだけなら危険な事はありません、花を見たら必ず確かめてみましょう!」と先生。

 

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 「キソキバナアキギリ(木曾黄花秋桐):シソ科」 サルビアの仲間で、木曾で最初に発見された。本種は6月に開花するのが特徴。

 (アキギリ)・・・・・・・桐に似た紫色の花・秋に咲く。日本海側に分布
 (キバナアキギリ)・・アキギリの黄花種・秋に咲く。太平洋側に分布

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 これがキソキバナアキギリの花。なるほどサルビアに似てますね。ここ三河を含む、中部地方のごく一部にしか自生していない。ちなみに「アキギリ属」のことをラテン語の学名で「サルビア」と呼び、日本ではそのまま園芸名になっている。

 

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 これはウルシなので触らない様に… 山を歩く人は覚えておいた方がよいですね。

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 「ソヨゴ(冬青):モチノキ科」の雄花。
雌雄異株・雌雄異花(雄と雌が別々の株の植物、ハナイカダも同じ)。雄花に比べて雌花の数が少ないのは、あまり多く実をつけると株が弱ってしまうからだとか。

 

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 上の大きい花が雌花で、下が雄花。

 

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 手に毛虫を這わせる先生。
今年は「マイマイガ」の幼虫が大発生しているそうです。今日もメチャクチャたくさん居て、知らない内に服やザックに着いていたりして大変… ウルシの葉っぱもお構いなく食べちゃいます!毛虫の毒は背中側の短い毛にしか無いので、つかんだりしなければ絶対に大丈夫だって!ピンボケですみませんm(__)m

 

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 「カキノハグサ(柿ノ葉草):ヒメハギ科」 柿の葉に似ているからこの名が付いた。日本国内にある野生の草花には、この様なオレンジ色はすごく少ないそうです。花の構造がとても変わっているとのこと。

 

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 「オオバノトンボソウ(大葉ノ蜻蛉草):ラン科」 これからトンボのような形をした緑色の花を咲かせる。
本種は林縁に、コバノトンボソウは湿地に自生する。

 

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 ベンチでカキノハグザの花を解体しながら構造の解説。

 

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 「ミズイロオナガシジミ」最近では珍しくなってきた蝶だそうです。

 

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 最後の写真はこれです。 このかわいい花を咲かせているのが「イナモリソウ(稲森草):アカネ科」
花の直径は約2センチくらい。愛知県内にはシロバナイナモリソウもあり、それは7月に咲くそうです。お隣り三重県の鈴鹿山脈にある稲森谷で最初に発見されたのでこの名が付いた。

 ちなみに稲森谷は雲母峰と鎌ヶ岳をつなぐ尾根と長石尾根南側からの水を集めて、湯の山付近で三滝川に注ぐ谷です。マイナールートの谷ですが、一度イナモリソウを探しに歩いてみたいですね。

 さて、今回でこの講座は終了。講師の北岡先生は植物の事はもちろん、野鳥・昆虫などの知識も豊富で、雑学の引き出しもたくさん持っておられました。お話を聞いていると時間の経つのも忘れてしまうほど面白くて楽しい講座でした。機会があれば、またぜひお話を聞いてみたいですね。


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水鵬

こんちわ~
いや~勉強になります!!
コアジサイは良い匂いするんですか!!好きで写真には撮るけど、匂いは嗅いだことはないので次回は必ず嗅いでみます!
ウルシはこれなんですね!!
今日も山を歩いてて、葉っぱの感じがキレイだね~って嫁と話していた所なんです。やばいやばい・・・気を付けよう
あと、このマイマイガも今日居ましたよ~ 手で掴まなければ大丈夫なんですね^^b
ヤブムラサキは毎回なんだか食べられそうな葉だな~って思っていました。
明日葉っぽい様な・・・・
今度見つけたら触ってみますね~
色々勉強になりました^^b
by 水鵬 (2014-06-08 18:28) 

teppan

水鵬さん>こんばんは!

コアジサイは今度見たらぜひ香りを確かめてみて下さい!
それと、ルーペで拡大して見るときれいな花なんですよ~

ウルシは要注意!前回記事に載せたツタウルシはさらに危険です。

ブログ見ました!マイマイガは八木山にも発生してるようですね。
大発生は周期的に起こるみたいですが、ウイルスなどにより必ず毎回収束すると先生が言ってました。
アシタバと違ってヤブムラサキは食べられませんよ! ^^;
触るだけにしといてくださいね。
by teppan (2014-06-08 22:23) 

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