古刹と鉄塔の野登山 2013/11/14 [山歩き・ウォーキング]
鈴鹿山脈南部にある「野登山:ののぼりやま」へ行ってきました。
山頂部東端にある「国見のひろば」から伊勢湾の眺め。手前に見える山は鳩ヶ峰
場所・日付 | 「野登山:ののぼりやま」 2013年11月14日(木) 三重県亀山市・鈴鹿市 境 | ||
ルート | 坂本棚田P~みつまたの森~仙鶏尾根2~電波塔最高点~国見のひろば~三角点~国見石~野登寺~夢創庵跡~表参道口~棚田展望台~坂本棚田P | ||
歩行距離(沿面距離) | 13.6Km | ||
最大標高差/累積標高 | 660m/+2416m | ||
所要時間 | 06時間52分 7:30~14:22 (休憩・昼食時間含む) 実測ルート図はここをクリック! Google earth俯瞰図はこちら |
この山には十世紀に創建されたという、醍醐天皇との関わりが深い「野登寺:やとうじ」があります。
麓から見てわかるとおり、山頂部には電波塔が建っています。その維持管理の為に車道が通っていて、どうも登高意欲の湧かない山だったんですが、「一度くらいは山頂を極めておこう!」ということでやってきました。
南側の亀山市安坂山町と、北側の鈴鹿市・小岐須渓谷から一般ルートがあり、今日は安坂山町の坂本地区を起点に周回で歩きます。
野登山の南麓にある坂本地区には「日本の棚田100選」に選ばれた水田があり、その棚田の観光駐車場に車を停めてスタート。AM7:30
集落に向かって坂道を250mほど登ったところから左折して、棚田の上部を抜けると猪避けの扉があります。開いて林道に入りました。AM7:40
しばらくは暗い林道歩きで、終点のあたりから沢を渡渉して山道になります。やがて道の両脇に同じ種類の低木が増えてきました。写真の小屋のあたりからは斜面を埋め尽くすようにビッシリ生えています。AM8:29
そう言えば坂本には和紙の原料となる「ミツマタ」を植えたのが野生化して、3月終盤になるとあたり一面お花畑になる場所があると聞いています。花の時期ではないので初めは気が付きませんでしたが、どうやらここが「みつまたの森」の様ですね。
名前のとおり、下の方から3本づつ枝分かれしながら伸びています。実物を見て納得!もう花芽が付いてました。
沢の上流部まで歩いて渡渉した後、ミツマタの斜面を登って尾根に出ます。AM8:40
支尾根に乗ったら仙ヶ岳と野登山をつなぐ「仙鶏尾根」に突き当たるまで急な痩せ尾根歩きが続きます。標高差350mをほぼ一直線! 本日一番の長くて辛い登り。
支尾根登りの最後は、778mピークを少し登ったあたりから東側に巻き道が付いています。最初のうちは踏み跡がわかりづらくて、ちょっと迷いました… 途中からハッキリとした道になり、登り切ると写真の「仙鶏尾根コース2」の表示板のある鞍部に出ました。AM9:44
このピークの巻き道に取り付こうとしたら ちょっとしたハプニングが!
ガルルルッ!って? なんか吠えたぞ~!と思ったその時、これから向かおうとする30メートル程前方の斜面をイノシシ親子の団体さんが一直線に駆け登っていきました! 少なくとも斜度20度以上はあるのにすごいスピード! あっけにとられて呆然と見守るだけでしたが、こっちに向かって来なくて良かったです。 ホント…
それにしても、昼間に遭遇することは滅多にないイノシシさんですが、団体を見たのはこれが初めてです。
そして鞍部から暗い植林地の急斜面を登り切ると、コンクリートの舗装路に出ました。後ろに見えるのは仙ヶ岳。AM9:57
まずは野登山の最高点にある電波塔を目指します。途中仙ヶ岳や、北方向に鈴鹿山脈中部の山々がよく見えました!
最高点にある「NTTコミニュケーションズ」野登無線中継所。標高は東側の三角点ピークより20メートルほど高いです。AM10:15
再び元来た道を戻って、途中から右へ回り込んで「国見広場」へ。ススキの原っぱを抜けると広場に到着。「國見のひろば」と刻まれた石碑があります。AM10:32
「夢山道頂上ひろば」とか、「鶏足山遠望 国は汝らのものなり」とか書かれたモニュメントがあったりして…なんか独特な雰囲気。東端にはベンチが設置されていて伊勢湾の眺めが抜群です。来た甲斐がありました!
北側には雨乞岳、宮指路岳、鎌ヶ岳、入道ヶ岳などが良く見えます!御在所岳もちょっとだけ頭を出しています。
早朝は寒かったけど、この時間は風も無くポカポカ陽気。ちょっと早いですが日当たりの良いベンチでゆっくりとお昼にしました(^^ AM10:32~AM11:18
昼食後、来た道を300m程戻った所(写真左)から三角点ピーク(写真右)へ。AM11:28
二等三角点「野登山:851.32m」があります。平成4年に設置された解説板は壊れて見るも無残な姿でした。
三角点ピークのすぐ南が道祖神のある分岐地点。写真向かって左が野登寺方向。先に右に100m程の所にある「国見石」へ行ってみます。
割れ目の入った大きな「国見石」。解説板はやはり倒れてしまっています。AM11:33
内容(要約)は「尾張三河・美濃・信濃の山々や時には富士山も見える見晴らしの良い場所で、以前は毎年行われる野登寺の祭礼の時にに大勢の人が登り、この場所から眺望を楽しんだ。平成4年11月1日 わがまち魅力発見事業庄内地区実行委員会」とあります。
道祖神の分岐からは谷沿いの踏み跡を辿って下っていきますが、かなり不明瞭です。
寺領だからか、こうした杉の大木が数多く立っています。見事ですねえ!
杉の大木が立ち並ぶ明るい場所に到着。ここが野登寺の山門です。往きは写真左の門を入り、帰りは右上からの道を戻ります。AM11:48
大きな杉の並木を過ぎると、「鶏足山三十三観世音」が並んでいました。
突き当りの階段を登ると右手に鐘楼、左手に庫裡。さらに登ると本堂があります。
鶏足山・野登寺本堂。十世紀に仙朝上人が創建したという古刹。AM11:57~PM0:10
謂れは以下、お寺のHPより引用・要約
あるとき醍醐天皇の夢枕に菩薩様が現れ、こう告げられた。「私は伊勢の国、鶏足山に住んでいます。今国は乱れ、田畑は荒れ人々は困っております。どうか帝のお力でこの災禍を取り除いてください」と。すぐさま勅使を鶏足山に遣わすと、三本足の鶏に山頂まで導かれた。するとどこからともなく老僧に姿を変えた千手観音様が現れ、案内された観音像の見事さに驚いたという。勅使の報告を受け、霊夢が事実であったことに驚いた帝は、すぐさま中興開山の勅命を仙朝上人に下された。 とのことです。
表参道に設置されている案内板に三本足の鶏が描かれているのは、こうした謂れがあるからなんですね!
ちなみに、このお寺は山頂部に上寺が、麓に下寺があります。そしてお隣の仙ヶ岳がこの寺の奥の院だそうです。
お寺は「やとうじ」と呼ぶのに、山は「ののぼりやま」と呼ぶのはどうしてなんでしょう?
山門から広い道を下って行くと石門がありました。この地点が車道の終点で、広場になっています。車道は歩かず、そのまま南へ向かって尾根なりに下りました。PM0:20
再び車道に出たらすぐに「夢創庵」のある尾根上の広場に着きます。かつては飲食店として営業していたようですが、現在は隣の住宅と共に廃屋になっていました。PM0:37~PM0:42
広場からの眺めは素晴らしい。
国見広場と同じく伊勢湾が一望できます。
振り返ると野登山の電波塔がはるか遠くになっていました。西に目をやると仙ヶ岳の眺めもいいです。
夢創庵の前をそのまま下れば良かったみたいですが、車道を歩いて写真の場所に着きました。案内板の所からガードレールをまたいで再び山道へ。PM0:48
表参道は急な溝道になっています。ご覧のように落ち葉と枝と石ころが堆積していて、とても歩きにくい…
例の案内板も各所で壊れてしまっていて残念!
苦手な下りをひたすら歩いてようやく麓の坂本集落に辿り着きました。
猪避けの扉を通って、表参道の入り口(写真右)に到着。PM1:30
参道口のすぐ近くに古い石柱がありました。何が刻んであるのかわかりません。
坂本集落の中ほどから西へ少し入ったところに八王子神社の広場があり、そこに棚田の展望台があります。PM1:40~PM2:11
今年の作業はすべて終わって、静かな棚田の先に見えるのは先月歩いた明星ヶ岳。
展望台の下でお茶にします。コンビニで買った三重限定のパンを食べてのんびり休憩タイム。
駐車場に戻って見上げた仙ヶ岳。PM2:22
野登山は思っていたより楽しめる山でした。次に訪れる時にはミツマタの花が満開のところを見てみたいですね。
(おまけ)
鈴鹿山脈中南部の山を歩くときは、いつも御在所SAで朝食にします。今回は「とんてき丼」。
ついこのあいだ豊川市で「B-1」グランプリが開催されました。残念ながら東海地区からの優勝は出ませんでしたが、この四日市「とんてき」が10位に食い込んでいました。ウスターソースベースのタレが絡めてあってけっこう美味しい!
実は自分、ウスターソース信徒なんです! 味噌カツより断然ソースカツ派です^_^
坂本集落で見かけたマンホールの蓋。亀山城がデザインされてました。きっと日本各地にオリジナリティー溢れたデザインの蓋があるでしょうね!写真を撮って収集するのも面白そうです。
そして最後はヘビ!道路の真ん中で日向ぼっこしていて踏んづけそうになりました… ヤマカガシです。
最近毒を持っていることが解ったそうなので気をつけましょう!ヘビ嫌いな人はゴメンなさい<(_ _)>
おばんです〜^^;
今回は三重方面ですね!ご苦労様でした。
ちょっと前まで汗だくで登ってたのに、先日久しぶりに歩いたら
寒かった〜!もう冬が近づいてますね。
ヤマカガシは派手な装いで、発見しやすいですよね。それに比べて
マムシは分かりにくくて怖い存在です。マムシは攻撃的でヤマカガシは
おとなしいとのこと。頭が三角形だと危ないって聞いたこともありますが
ヤマカガシでそんなことはないってことになりますね。
by げんた (2013-11-17 01:27)
げんたさん おはようございます!
そうなんですよ~
夏からいきなり冬になったみたいで、秋はどこ行った?
以前はヤマカガシは毒ヘビじゃないって言われてましたが、
ヘビは頭の形だけで判断しちゃイカンということですね。
気性の荒さで言えば、シマヘビは毒は無いけどすごく攻撃的なんですよね~ 以前道の真ん中に居たので、どいてもらおうと石を放り投げたら鎌首持ち上げて「シャーッ!」と威嚇されてビビッたことがありました。^^;
by teppan (2013-11-17 09:05)
こばわ~
いいですね~天気も良く最高の山行ですね。
もう山は秋から冬支度ですね。枯葉の上を歩きて~w
この気持ちをteppanさんのブログでエア登山してますw
イノシシは危なかったですね^^;
ヤマカガシは大人しいヘビですが毒は強いらしいですね、動物たちもそろそろ冬眠の時期かな~
私も主夫生活は大分慣れてきましたw
嫁も早く治って山に行きたいと申しておりますw
by 水鵬 (2013-11-17 18:16)
水鵬さん おはようございます!
冬が近くなってきましたが、枯葉の絨毯を歩くのもまたいいですよね~
今回の山は頂上に建造物があるので、あまり気が進まなかったんですが、
眺めが良かったのでOKということで!^^;
イノシシにはビックリしましたね~ あの速さを見て、とても太刀打ちできないと思いました。
けっこう寒くなってきたのに、ヘビはまだ冬眠前なんですかね?
車に轢かれなければいいですけど…
by teppan (2013-11-18 08:43)