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北谷尻谷~銚子ヶ口 杠葉尾から周回 後編 2019/5/3 [山歩き・ウォーキング]

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 5月の鈴鹿を彩るハルリンドウの花


場所・山行日  鈴鹿山地「銚子ヶ口:ちょうしがぐち:1076.79m:三等三角点佐目」
 2019年5月2日(水)~5月3日(木)滋賀県東近江市杠葉尾町・佐目町 境
ルート 【1日目】杠葉尾登山口~瀬戸峠~白滝谷出合~天狗滝~ヒロ沢出合~塔ノ峰~お金峠~お金明神~お金峠~コリカキバ(泊)
【2日目】コリカキバ~北谷尻谷~大峠~水舟の池~大峠~水舟の頭~銚子ヶ口・西峰
~銚子ヶ口・中峰~銚子ヶ口・東峰~杠葉尾登山口
Google earth俯瞰図はこちら
歩行距離
【1日目】11.1Km(平面距離)
【2日目】11.0Km(平面距離)
標高差 
 登山口 +370m瀬戸峠 -127m白滝谷出合 +70mヒロ沢出合 +230m塔ノ峰 -120mコリカキバ +290m大峠 +30m銚子ヶ口 -740m登山口
所要時間
【1日目】10時間26分 05:24~15:50 1.1Km/h(休憩・滝鑑賞・昼食時間含む)
【2日目】07時間40分 06:40~14:20 1.4Km/h (休憩時間含む)


 近江鈴鹿の最深部、谷尻谷中流域を巡る山旅、後編です。 
 前編はこちらをクリック→ 北谷尻谷~銚子ヶ口 杠葉尾から周回 前編

 前編は杠葉尾(ゆずりお)の銚子ヶ口登山口から瀬戸峠を越えてお金明神を参拝したあとコリカキ場泊まででした。以下その続編です。


【注意!】※転滑落危険個所・道迷いしやすい地点多数あり
大峠~銚子ヶ口~杠葉尾登山口間を除いて、地形図、コンパス、GPS等でルートファインディングが必要です。北谷尻谷の遡行は案内表示がほとんどなく、初心者が単独で歩くのは難しいので熟練者との同行が望ましいです。
 

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 午前3時の予定が1時間遅れで起床、急いで朝食の支度です。アルファ米のごはんにイワシの味噌煮を放り込んだだけの簡単メニュー。


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 AM7:00少し前、上谷尻谷の渡渉からスタート。


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 コリカキ場の真上から。北谷尻谷が滝になって上谷尻谷に流れ込んでいます。(谷尻谷→”たんじりだに”と読みます)ちなみに、谷尻谷は1本の沢がなぜか?上下区別され呼ばれています(上谷尻谷と下谷尻谷)。その境目がこのコリカキ場になるのでしょうか?


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 北谷尻谷の遡行は序盤急な山腹の高巻き道です。踏み跡不明瞭で狭く、緊張しながら歩きました。


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 イチヨウラン ご覧の通り葉っぱが1枚なのが名の由来。針葉樹の林床に自生する小さなランです。


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 しばらくすると広々とした素敵な場所に出ました。当初はここでテン泊予定でしたが、疲れ果てて手前のコリカキ場泊まりになりました。


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 焚き火の跡がありますね。この辺りには炭焼き窯跡が幾つかあって、山仕事をする人が多く出入りしていた事が覗われます。


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 さらに北谷尻谷を遡行します。だんだん狭まってきましたが、まだ谷芯は歩きにくいので山腹を行く。


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 分岐地点表示 ここから支尾根伝いで銚子ヶ口東峰へ行ける様です。


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 朝陽が差し込んで明るい雰囲気の谷。


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 トリカブト(たぶん)の群生がありました。


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 ここもテント泊に適した場所です。


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 このあたりから谷芯を行きましょう。長靴で水の中をズンズン遡行します。


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 何が見えたかな~?  カメラを構えるteppanだって?それじゃつまらん…一ひねり欲しい(^^


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 谷の遡行は、登るにつれ分岐を繰り返すので間違えないように。1度でも間違えると予定外の場所に出てしまいます。


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 谷歩きは楽しいですね~


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 ここは左俣へ入る。右へ遡ると銚子ヶ口南峰あたりに出られますが厳しそう。


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 趣ある小さな滝。足を置くと滑りそうに見えますが大丈夫でした。でも良く確かめてからね。


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 ミニ三段滝。


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 多少水しぶきを浴びますが、お構いなしに中央突破です。


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 2~3mの小滝。簡単そうに見えましたが、両岸とも手足がかりが少なく乗り越えるのにちょっと苦労しました。


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 ここは左俣へ。


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 コチャルメルソウの花。花は直径4~5ミリ、反り返った赤いヒゲの部分が花弁だそう。この野草は湿った場所が好きなんですね。


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 落葉が溜まって歩き難くくなってきました。


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 チャルメルソウと同じく、このネコノメソウもよく見かけました。詳しい種類は調べてません。


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 ここは右俣へ。もうこの先に大きな分岐はありません。


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 コチャルメルソウ


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 詰めが近づいてきました。岩の段差を登っているところ。


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 ニシキゴロモ(キランソウの一種)


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 ミツバツツジ。 アカヤシオ(アケボノツツジ)と並んで春の山を代表する花のひとつ。この一株だけ見事に開花していました。


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 詰めが急で谷芯が登れず高巻きました。


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 大峠に到着、ちょうどアセビが満開でした。ここに荷物をデポして水舟の池へ行ってみます。


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 大峠から綿向山。


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 満開のアセビ。蜜を集める虫が頻繁に訪れています。


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 水舟の池は2年半ぶりです。鈴鹿の山中にある自然池としては最大級で、地形図にもちゃんと描かれています。標高約900mの所にある神秘的な池です。


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 記念写真を一枚。着ているのは本巣七名山巡りでもらった能郷白山Tシャツ。^^


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 この池にはアカハライモリがいっぱい住んでいます。赤いお腹は毒を持っていることを外敵に示しているそう。フグと同じ毒だそうですよ。(゚Д゚)


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 大峠の西側斜面にはシロモジの木がたくさんあります。花盛りで黄色になっていました。


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 タチツボスミレかな?(スミレの同定は面倒なので放棄^^;)


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 大峠に戻って、少し上から遡行してきた北谷尻谷源頭を眺める。ここから銚子ヶ口へ向かいます。
相棒が面白いことを言いました。「銚子ヶ口」は”チョウシガグチ”と読みますが、ある標識に ”ヶ” が ”ケ” と大文字で書かれていたのを見て、”チョウシケロなんて可笑しな名前だな~”と思ったそうな(笑)


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 水舟の頭。大峠からの登りがとにかく急で息も絶え絶え…


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 銚子ヶ口は同じような標高のピークを複数持っています。写真は西峰より琵琶湖方向の眺め。


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 前方に銚子ヶ口中峰を捉えたあたりからの一枚。


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 ハルリンドウがいっぱい咲いています。花径は2~3センチと小さいです。青い花の野草はteppanの好みです。


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 中峰からの下り、前方に本峰が見えてきました。


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 本峰には三角点がありますが、先客がくつろいでいましたのでスルー。眺めの良い東峰に来ました。ちょうどファミリーが休憩中。足元のアカモノ(イワハゼ)を見ているところ。まだ花は咲いていませんね。


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 これから下る斜面の向こうに、鈴鹿北部の山々が見えます。


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 鞍部から雰囲気の良い谷間を下ります。写真では緩やかに見えますが結構急ですよ。


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 ミヤマカタバミ。カタバミの仲間はどれも花がかわいいですが、この種は一段と花が大きくて美しいです。早い時間帯には閉じています。


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 こちらはエンレイソウ(延齢草) 葉・花被片などが3枚づつなので、学名は”トリリウム”


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 しばらく狭くて危険な山腹道が続くので油断しない様に歩きます。谷側にロープが設置してありますが確保には使えません。どうせなら山側の立木に括り付けて欲しいところです。


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 ここで一旦稜線に出ます。


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 イワウチワは終盤


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 そしてイワカガミはこれから最盛期。イワウチワとイワカガミは花の時期が少しずれています。同じ日なのに写真が撮れたのは、自生地の標高が違ったからです。


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 これまでの疲労が溜まってもうガクガク。気力で麓を目指します。


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 この網は何だろう? よく見たらササユリです、鹿の食害から守るためでしょうね。


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 ササユリ再生プロジェクトで、小さな株もナンバリングされていました。


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 なぜか一個所だけ大規模なガレ場の通過があります。過去に崩落した場所なのでしょうか?


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 ようやく登山口にたどり着きました ああ疲れた~(´Д`)


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 最後にムラサキケマンの花が待っていてくれました。


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 駐車スペースから見た不老堂。ジムニーを駐めた一番右側は、入る際に段差が大きいので、駐めるなら左寄りが無難です。


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 これを見つけるとつい捕まえたくなるんです。ニホントカゲ ^^


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 昼食がまだなので、道の駅「奥永源寺渓流の里」へ。ゴールデンウィーク中で大賑わいでした。


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 なんと!クマガイソウの鉢植え(非売品)が展示してありました。
ちょっとグロテスクな花ですが、レッドデータで絶滅危惧Ⅱ類(VU)という希少ランです。盗掘される危険性があるので、ネットで紹介する際は自生地を特定できないような配慮が必要ですね。


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 いつものダムカレーをオーダー。トッピングは岩魚とトンカツを選べました。




(あとがき)

 健脚者なら日帰りで周回可能なコースですが、鈍足夫婦はテント泊でマッタリ計画です。余裕を持ったつもりでしたが、実際にはテン泊装備が重いのに加え、神崎川の高巻き道が思った以上にアップダウンがキツくてヘロヘロでした。
 まあ、理想と現実のギャップが大きいのはいつもの事です。山中で一杯やりながら一晩過ごすのが一番の目的でしたので、なんとか達成できて良かったです(^^

 銚子ヶ口は「鈴鹿十座」に選ばれ歩く人も増えてきましたが、鈴鹿ではマイナーな部類に入る山です。しかも、ゴールデンウィークの真っ最中だと言うのに誰一人として会わないマイナールート歩きで、本当に連休中なの?と思うくらい静かなハイクでした。
 2個所の神崎川渡渉は連休前半の降雨で水量が多く、長靴でも上から水が入ってしまう程の深さで渡るのに苦労しました。

 1日目の夜はコリカキ場で泊まりです。テン泊ハイカーで賑わっていたに違いないイブネの、さらに北にある谷間で、人知れず静かに過ごすのもなかなかオツなものでした。

 北谷尻谷の遡行はコリカキ場から500~600mほど上流に広く平で雰囲気の良い場所があり、こちらでテン泊するのもかなり良さそうでした。
 後半支谷に入ると2~3メートルの小滝がいくつか現れ、登るのにちょっと苦労しました。重くなるので持っていきませんでしたが、ロープがあれば相棒がもっと楽に登れたのではないかと思います。

 大峠から銚子ヶ口西峰に到着したところで今回初のハイカーさんとすれ違いました。そこから銚子ヶ口本峰へ向かう途中数人とすれ違うようになり、ようやくゴールデンウィークらしくなってきました。
 朝明からコリカキ場を経て直接銚子ヶ口に登頂してきたという方とちょっと立ち話。この後上谷尻谷を遡行してイブネへ向かうとのことでした。大きな荷物を背負っていたのでテン泊ですか?と聞くと日帰りトレーニングだとのこと、体力がある方は羨ましいですね。

 ファミリーが休憩中の銚子ヶ口東峰を過ぎたあとは、ひたすら杠葉尾めざして下ります。持参した速攻性アルコール燃料を昨夜全て消費したおかげで、荷物は幾分軽くなったはずなのですが、蓄積した疲労は如何ともしがたく、狭い山腹道をヨタヨタしながら気力で歩いてなんとか麓にたどり着きました、ヤレヤレ。



(備忘録)
【杠葉尾登山口~白滝谷出合】
 瀬戸峠分岐まで舗装林道歩き。瀬戸峠を経由して神崎川までは荒れたルートで案内表示がほとんど無くわかりにくい。

【白滝谷出合~天狗滝~ヒロ沢出合】
 神崎川の渡渉後はしばらく右岸の山腹高巻き道。足場が狭く、アップダウンがきついので慎重に。天狗滝の展望地は固定ロープで岩場を降りる。


【ヒロ沢出合~お金峠~コリカキバ】
 ヒロ沢出合からいきなり神崎川の渡渉。渡渉後はイブネ・クラシへ続く尾根に取り付く。案内表示はほとんどなく、やせ尾根や藪の通過あり。お金峠から東へ谷を下って小尾根に乗り、さらに下るとお金明神。お金峠から西のガレた狭い谷を下るとコリカキ場。


【コリカキバ~大峠:北谷尻谷遡行】
 北谷尻谷の入口からしばらくは山腹道、急で足場が狭いので滑落注意。広い川原に出てしばらく右岸の台地を歩く。銚子ヶ口の分岐標識のあたりから谷芯を歩きました。(長靴なので水の中を歩いています) 途中小滝を乗り越える地点が3個所ほどありますが、滑り落ちない様に注意。


【大峠~銚子ヶ口東峰】
 大峠からは一般道ですが、鈴鹿主稜線の山に比べて案内標識は少ないので注意。ピークを幾つかアップダウンしながら歩く。


【銚子ヶ口東峰~杠葉尾登山口】
 東峰からはザレた急斜面の尾根道を鞍部まで。谷間をしばらく下ると、急な谷間のトラバース道になりますが、足場が狭いので転滑落に注意。その後全般的に道幅が狭いので油断しないように。

タグ:鈴鹿の山
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cheese999

カツカレー、いいなあ(^_0)ノ
by cheese999 (2019-05-17 06:38) 

teppan

cheese999さん、コメントありがとうございます!

ここのカレー、美味しいですよ(^_^)v
by teppan (2019-05-18 22:33) 

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