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【愛知】駒山 諸行無常を実感する山旅 2019/2/7 [山歩き・ウォーキング]
駒山の参道に佇む観音像。
場所・山行日 |
「駒山:こまやま:855m:独標」 2019年2月7日(木)
愛知県豊田市牛地町 |
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ルート | 発電所登山口~駒山~反射板~相走橋登山口~発電所登山口(周回) | ||
歩行距離 | 9.1Km(平面距離) | ||
標高差 | 相走橋登山口 -15m発電所登山口 +560m駒山 -540m相走橋登山口 | ||
所要時間 | 04時間40分 09:10~13:50 (休憩・昼食時間含む) Google earth俯瞰図はこちら |
前回レポートしました押山を歩いた後は、比較的近くにある「駒山:こまやま」を歩いてきました。
当初計画では、まず駒山を歩いてから押山に登頂し、眺めを楽しみながらランチの予定だったのですが、雨上がりで押山名物雲海が見られる可能性があったので順番を変更しました。雲海が見られたかどうかは前回レポートをご覧下さい。
矢作川に架かる「相走橋」近くの駐車スペースからスタート。以前は飲食店があった場所だとのこと。今回は周回コースで、ここに下山して来る予定です。
ダム湖沿いの県道を歩いて奥矢作第二発電所近くの登山口へ向かいます。基本下りなので楽に歩く事ができます。
奥矢作湖です。
今年に入って雨が少ないせいか、湖畔には棚田か段々畑が姿を現していました。
約20分歩いて発電所手前の登山口に着きました。写真左の電柱の所が登山口です。歩道はありませんが交通量が少ないのが救い。道路右側に10台くらい駐められる駐車スペースがあるので、柔軟な山歩き計画が立てられます。
ここから取付きます。中部電力の鉄塔巡視路になってます。
登山口にある観音像。苔むしていてお顔が見えません。
この後、観音様に手を合わせながら登って行きます。
途中谷間を横断して向かいの山腹へ。堰堤の先に対岸の山が見えました。
黄色の鉄塔指標。
なんとも言えない、ふくよかで優しいお顔をされていますね、見ているだけで心が安らぎます。
鉄塔です、あまり見かけない烏帽子型。
鉄塔の下は伐採されていて奥矢作湖を眺めることができます。湖の先の山に鉄塔がないのは、この下にある発電所が電線の起点だからでしょう。
参道から離れた所に庇の様な奇岩がありました。近くに行ってみます。
庇の下には役行者像。
人の仕業かと見紛うような造形。これが自然にできたとは信じられないですね。
山歩き人間と廃墟マニア(理由は後述)しか歩かなくなって久しいらしく、倒木もそのままです。
現在残っている観音像のデザインは統一されていません。刻まれた番号も順番通りになっていない様です。長い年月の間に喪失したり、新たに追加されたりしたのでしょうね。
急な尾根のジグザグ道をひたすら登っていくと、
写真の場所で林道に出合いました。
真上に鉄塔がある地点です。
ここからしばらくはコンクリートで舗装された林道を登ります。
この地点で再び山道へ。白い倒れた立札のすぐ右から入りました。
水が流れていて沢のような荒れた道です。昔はちゃんとした道だったのでしょう。
お顔が三つの馬頭観音像。
このあたりは県有林の様です。
千手観音像かな?この付近には段々に石垣が組まれています。ふと前方を見上げたとき、森の中に忽然と現れたものは?
この建造物です!異様な大きさですが、これが小馬寺の山門です。
山門の手前に聳えていた巨大な杉の木。
山門は4層2階建て約15メートルの高さだそうです。teppanはこんな巨大な山門は、県内では未だかつて見たことがありません。
小馬寺がいかに強大な影響力を持っていたかを象徴するような山門です、ただただ圧倒されました!
精緻な木組み。
この彫り物は獅子でしょうか?
間違えて参道の反対側にでたら、こんな塔が立っていました。
笹藪を分けて参道に戻ると石階段。
ここにも巨大な杉の木が2本、山門の様に聳えていました。
石段を登り切ると、とうとう倒壊した本堂が姿を現しました。
本堂の右には庫裏。
こちらも倒壊寸前の状態。
中を覗くと石油ストーブの残骸がポツンと…
直径2メートル以上は優にある巨大な切株。前出の杉の巨木と比べても圧倒的な大きさです。生前はどんな巨樹だったのでしょう?
※樹齢600年の大杉で、1973年の落雷で傷んだ為切り倒された。鳳来寺の本堂再建の際に使われたとのことです。こんなに楽しい愛知の100山より追記
鉄製の支えだけが残る本堂、十一面観音像がご本尊だったそうです。諸行無常を目の当たりにして、人の世の儚さを感じざるを得ませんでした。
本堂から回り込むように続く道を歩いていくと、
ブナの巨木が2本立っていました。豊田市のHPには樹齢500年とありますが、多く見積もっても250年くらいじゃないかと思われます。案内板によると、この大きさのブナがこの標高に生えているのは珍しい様です。
さらに奥の場所にあった大きな木に駒山山頂を示す立札がありました。
枯れた竹の切株が林立する場所には、保護された苗木がたくさんありました。覗いてみるとブナの木です、増やそうとしているみたいですね。
さらにお隣のピークにある反射板へ行ってみます。
鞍部から登り返すと、
反射板がありました。
反射板近くはマイクロウェーブの邪魔になる木が伐採されているので眺めがあります。
ここでランチにします、もうお腹ペコペコ。まず餃子を焼いて、
できあがったカップ麺に放り込んでギョーザラーメン。お腹が空いていたことも手伝って美味しかった~(^^
ランチ後はお寺方面には戻らず反射板の先から急斜面を下ってショートカット。序盤は少し藪がかっています。
林道に着地。向かって左方向へ下ります。
着地地点の北方向に踏み跡あり。ネットで調べた時に知りましたが、この先にも観音像の参道がある様です。
歩きやすい尾根道を下ります。所々道は尾根を外れているので、踏み跡を確かめながら下ります。
こんな指標もあった。
ヒノキの植林地に茶色の葉っぱの木はシロモジです。すぐに落葉しないので、冬はこんな姿をしています。それにしてもたくさん生えていますね、秋は黄色に染まってなかなか見応えがありそうです。
これはコアジサイの花の跡。
No22鉄塔横を通過。
分岐地点です。写真左から下ってきて振り返って見たところ。登りでは右に行かない様に。
道を針金が横切っていました… 首つりにならない様に布が結んでありました。
県道の登山口に無事着地。
入口にはこの表示がありました。
【駒山備忘録】
大昔このあたりは馬の産地だったそうで、この名前が付いたとの説あり。
山頂にある小馬寺(廃寺)は七世紀の創建で ”幻の山岳寺院” と言われ、往時は修行僧が700~800人も居たとされる。矢作ダムの運用に伴い、寺を支える集落の大半が水没して廃寺となったという。1851年に奉納されたという大きな”千匹絵馬”があり、現在は豊田市旭町郷土資料館に保存されている。(参考 朝日新聞DIGITAL 2018年10月1日)
山頂にある小馬寺(廃寺)は七世紀の創建で ”幻の山岳寺院” と言われ、往時は修行僧が700~800人も居たとされる。矢作ダムの運用に伴い、寺を支える集落の大半が水没して廃寺となったという。1851年に奉納されたという大きな”千匹絵馬”があり、現在は豊田市旭町郷土資料館に保存されている。(参考 朝日新聞DIGITAL 2018年10月1日)
駒山の南麓にある富永町では江戸初期に「おびんずるさま(賓頭盧尊者像)」が祀られていた。明治に入り盗難を防ぐため小馬寺に預けられていたが、廃寺となってしばらくしてからの2005年になって再び地区に戻されたとのこと。(参考 中日新聞WEB 2018年11月29日)
山門は江戸末期から明治初めに建てられたとされる高さ約15メートル、ケヤキ造り4層式2階建。
ハイキング後は稲武町にある「ホテル岡田屋」さんの日帰り温泉で汗を流しました。リーズナブルなお値段で良いお風呂です。
タグ:愛知のお山
いいお顔ですね(〃'∇'〃) 眼福ですm(__)m
by middrinn (2019-02-09 09:23)
teppanさん:まいど(^^♪
駒山の山門、迫力がありますよね。それにしても、いつ崩れるか、近くには寄れませんでした。
小生は、毎度のことながら、超手抜きで行ってきました。さすがteppanご夫妻、ちゃんとしたルートで登られるって頭が下がります。
そうそう、岡田屋さんのお風呂、気に入ってます!安いところがイイかも(爆
by karl (2019-02-09 12:52)
middrinnさん、コメントありがとうございます
観音様のお顔、癒やされますね。
by teppan (2019-02-09 15:01)
こんにちはkarlさん
あの山門、初めて見たのですが、とにかく巨大で圧倒されました。
隆盛を誇った寺院も、時代の流れと共に変わっていったんですね~
まさに諸行無常でした。
岡田屋さんのお風呂は貸し切りでした、後でポカポカしてきました。安くて良いですね。
by teppan (2019-02-09 15:08)
圧巻です。
こんな立派なお寺が、かつては山の中にあったとは驚きです。
とても興味深いです。
諸行無常を感じる山歩き、浪漫があふれています。
素敵なハイキングですね。
餃子ラーメンも、グッドです。
by totok (2019-02-09 20:09)
totokさん
山門の大きさからして、最盛期には寺に出入りする大勢の人で賑わっていたに違いありません。全国にはもっと大きな山門を持つお寺が幾つかあると思いますが、山の上にあれだけ立派な建造物がある事が驚きですね。古に思いをはせながらのハイキングでした。
餃子ラーメン美味しかったですよ(^^
by teppan (2019-02-09 22:20)
道沿いの観音様や壮大な山門の様子から昔は参拝者で賑わっていたのでしょうね。
まさに諸行無常、盛者必衰ですねぇ…
ひっそりと佇む観音様に癒やされそうです。
by よしころん (2019-02-12 20:30)
こんにちは、よしころんさん
田舎の山の上に、こんな立派なお寺の跡があるとは驚きですね。
江戸時代~明治にかけてが一番栄えていた様です。今となってはそれも夢のような姿です。観音様達は何を思っていらっしゃるのでしょう
by teppan (2019-02-13 17:04)