紅皿山から那須ヶ原山 鈴鹿南部周回ハイク2015/11/26 [山歩き・ウォーキング]
滋賀県と三重県に連なる鈴鹿山脈。その南部地域にある山々を周回ハイキングしました。
大原ダム(貯水池)から眺める那須ヶ原山(中央左奥) 写真クリックで拡大表示
場所・山行日 | 「紅皿山:べにさらやま:600m」「長石山:ちょうせきやま:650m」 「溝干山:みぞほせやま:770m」唐木岳:からきだけ:730m」 「那須ヶ原山:なすがはらやま:799.64m」周回 滋賀県甲賀市・三重県亀山市 境 2015年11月26日(木) | ||
ルート | P~紅皿山~長石山~溝干山~坂下峠~唐木のキレット~唐木岳~三ッ頭山 ~那須ヶ原山~黒部滝~P 参考書「鈴鹿の山ハイキング:西内正弘著」 | ||
歩行距離 | 8.1Km(平面) 9.5Km(沿面) | ||
標高差 | P~紅皿山+190m 紅皿山~溝干山+170m 溝干山~坂下峠-150m 坂下峠~唐木岳+110m 那須ヶ原~黒部滝-260m 黒部滝~P-140m | ||
所要時間 | 07時間05分 06:41~13:46 平均速度1.2Km/h(休憩・昼食時間含む) 実測ルート図はここをクリック! Google earth俯瞰図はこちら |
「鈴鹿南部」とは鈴鹿峠から南側の山々を指すようですが、この日はその中からまだ未登頂になっている山を歩きに出かけました。天気が良くないのは承知していましたが、午後から雲が無くなって展望があるかも?という淡い期待を抱いて現地へ。
国道1号線「蟹が坂」交差点から県道129号線(南土山甲賀線)に入り、大原ダム沿いの林道を大原川上流へ進む。「参道橋」前を過ぎると間もなく神大滝林道沿いに小屋と10台程停められる駐車スペースがあります。
ちなみに“神”とはこのあたりの地名で、“かむら”と発音するようです。(甲賀町神地区)
前線の通過に伴う昨日からの雨はこの日の早朝まで降り止まず、先が思いやられますが小雨の降る中をスタート。今日の前半戦、紅皿山~溝干山の縦走はヤセ尾根や岩場の多いバリエーションルート。初めてでどんな様子だか解らないので、念の為ヘルメット装着。日の出の時刻は過ぎましたが、天気が悪いので薄暗い。
林道を戻って、紅皿山へ続く支尾根の取付き易そうな場所を物色します。参考にしたガイドブックにはこの先の神唐戸川林道の寺山峠あたりから取付くように書いてありますが、植林保守用の林道(写真)があったので、そこから入ってみました。
林道は行き止まりになり、そこから急な支尾根に取付きます。やがて大きな岩に行く手を阻まれ右側から巻きました。
木の枝を除けながら支尾根を進んで溝干山へ続く主稜線に乗りました。写真は544m独標ピークで目印あり。
ヤセ尾根をアップダウンしながら進んで行くと、展望の良い場所がありました。一瞬雲が切れて視界が開けた。
そして紅皿山の頂上に到着。一人立つのがやっとのピーク。
新名神高速の高架橋が見えました。
ネットで参考にした写真ではこの枝に山名板が取り付けられていましたが、現在は青い針金のみ残る。
紅皿山から間もなく、写真の地点は真っ直ぐ行かずに左へ少し下った後、尾根を北側から巻きます。とにかくこのルートは尾根通しで進めない個所が幾つかあり、テープ指標も少なく難易度が高い。ガイドブックの予備知識が無ければ難しいです。今回は上りで歩いて正解でした。
行く手を阻む岩場も何ヶ所かあります。
右か左に巻くと、どこかに必ず指標やロープが付いています。
紅皿山の山頂から200m程進んできたら、また「紅皿山」の表示が付いていました。ここは尾根上の小ピークで山頂と呼ぶには?ですね。
フィックスロープ場も何ヶ所か
長石山頂上手前のヤセ尾根。ガイドブックでは長石山を往復して、この手前あたりで左(北側)へ下って先へ進む様になっている。どこに分岐があったのかな?全然分かりませんでした。
小さな長石山の頂上。さらにこの先まで行ってみると…
激しく崩れた崖です!その先もエッジ状のヤセ尾根になっていました。ここはさすがに危ないので降りられません。写真右側は昔、長石(釉薬の原料)を掘っていた跡が崩壊して大ガレになっていて、林道や反対側の山からもその様子が良く見えるそうです。今日はガスの中で全く見えませんでしたが…
尾根通しでは危なくて進めないので、左下(北側)に見えたV字谷状になっているところに降りて下ります。
小尾根を乗り越えてアセビと草の生える斜面(写真)をさらに下る。下り切った鞍部からは見上げる様な急斜面が立ちはだかっていて登れそうにありません。そこからは一旦北側に歩いてから右の山腹に取付きます。鞍部南側は確認しませんでしたが、ちょうど大ガレの真上になるはずです。
山腹を登って尾根に出ました。ここを右へ登っていきます。
後は危険な場所も無くなり、溝干山へ向かってひたすら登る。アセビはもう春に向けて蕾を準備しています。
謎のスプレー容器が枝に…
溝干山への最後の登りはキツイ!
溝干山の南峰です。今日は素通り。
坂下峠への下り。前回ここを歩いた時は右から登ってきました。下りだと危ないので、この地点は左の巻き道へ。
真下に坂下峠。ガスガスでちょっと先も何も見えません。
坂下峠から登り返し唐木岳へ向かう。写真は分岐地点で唐木・那須ヶ原方面は右下へ。左上に行くと長峰へ行けます。
分岐から間もなくロープで尾根を巻いて下降し、唐木のキレット手前にある展望地に着きましたがガスで何も見えません。さらに進んでキレット到着。見上げる様な岩壁です。間から補助に使う為かテープがぶら下がっていました。
足元の石にはアンカーが埋め込んであった。ここはクライマーの領域、私達素人は巻き道を行きます。
でも、この巻き道が曲者。ザレた崖っぷちで足場が悪く狭い。ロープはつい最近まで無かった様子で、通過した人のレポートには口々に怖かったと書かれていました。
恐る恐る通過する相棒。必要以上にビビッて屈んだ拍子にバランスを崩してひっくり返りそうになりましたが、虎ロープのおかげで事なきを得ました。無かったら張るつもりでしたので助かりましたm(__)m
ロープ場から急な斜面を登って写真の場所に着きました。唐木山のプレートが付けられていました。参考書には“唐木岳”とあります。
ミヤマシキミにも蕾が着いていました。雌雄異株ですが、これはどっちかな?
唐木岳には盛り上がりが2つあり、参考書では写真の杭のある西側ピークを山頂としています。
樹皮の剥がれた木を良く見かけますが、これはたぶんリョウブだと思います。自然にこうなるのかな? 鹿による食害だとも聞いた事があります。
三ッ頭山までは、しばらく歩きやすい快適な尾根道です。
三ッ頭山の山名板が笹の中に置いてありました。どこが3っつのピークなのか良く解らない。いつの間にか通り過ぎてしまう様な山頂です。
三ッ頭山からの下り。結構急です。
那須ヶ原山が近くなってくると植林地が現れました。
分岐地点。左へ下ると県境稜線が油日岳へと続いています。那須ヶ原山は右方向へ。
植林地を抜けて、鈴鹿山脈南部の盟主・那須ヶ原山の頂上に到着。写真の建物には那須ヶ原神社が収められています。三等三角点「那須ケ原」は建物のすぐ後ろにある。
はい!お天気が良い日にまた来ますね。^^
閂を外して参拝させていただきました。ここまでは無事でしたが、この先も安全に下れますようにm(__)m 記帳用のノートもありました。
頂上広場の真下が那須ヶ原小屋です(屋根も広場の一部)。 また雨が落ちてきました。ここを使わせてもらい昼食にします。
表の看板は取れてしまっていましたが、中に新しい表示板が取り付けてありました。地域に親しまれている里山なのがよく解りますね。
当初計画では那須ヶ原山から反時計回りの予定でしたが、天気を考慮し、ここで昼食タイムにする為時計回りに変更しました。風が強めなのは想定内でしたが、降雨は予想外でしたので、屋根があってしのげるこの場所はホントにありがたいです。
昼食を終えた後は駐車スペース目指して下山します。雨も止んだみたいです。少し下って櫟野(いちいの)ルートとの分岐地点。大原ダム方向へ。
途中から展望の良い山腹道になりました。遠く三上山と琵琶湖が見渡せる。どうやらそのあたりは晴れている様です。手前には櫟野ダム(左)と大原ダム(右)も見えます。晴れていればもっと素晴らしい眺めでしょうね。
大原ダムの完成は昭和30年。農業用水の安定供給のために造られたそうです。ダム湖の周りは紅葉する木々で綺麗です。
登山道は階段で良く整備されています。8合目付近に一ヶ所、
そして5合目付近に一ヶ所、獣除けフェンスの扉を開けて通行します。ここまでは開けた草原の山腹道で、展望抜群で気持ち良く歩くことができます。扉の向こうから植林の中へ。
階段道をひたすら下ると、水の流れる音が聞こえてきました。那須ノ谷です。
谷に降りると上流に黒部滝。落差15mくらいの立派な滝です。
渡渉した対岸から、降りて来た斜面の出入り口を振り返って見たところ。緑の矢印の先の、草むらの向こうが那須ヶ原山への登り口。
滝から間もなくの避難小屋を過ぎ、植林地の中を下って行くと、やがてコンクリート製の林道に出ます。ガイドブックが書かれた頃(12年前)にはここまで車で入る事が出来た様ですが、現在はご覧の通りで参道橋手前で通行止めになっています。土石流の岩石と流木で荒れた道には沢水が流れています。コンクリートに玉砂利が混ざっている道は濡れて滑りやすい。靴底がすり減ってきた自分の靴だと結構滑るので、油断するとスッテンコロリンになりそうでした。
林道を振り返って見たところ。大小の岩石がゴロゴロ落ちています。
「参道橋」が見えてきたら終着点は近い。こちら側からの登山道は、古来那須ヶ原神社への参道であったと言う事がこの橋の名前からも汲み取れますね。
駐車地に無事戻って来ました。コンディションは良くありませんでしたが、計画どおりに踏破することができ、充実感のある山行きとなりました。
こんばわ~ 雨の中でしかもバリエーションルートとは・・・ヘルメット完備ですごいですね。 実は先週私は目の手術で入院してまだ退院したてなので、あまり細かい文字が長時間読めないんです^^;
今それ以外でも色々あって・・・山にはいつ行けるかな~って感じです。
でもteppanさんのブログでリアルな山の写真がすごい楽しくて、行った気分になれますw
またコメントしますね~(*´∀`*)
by 水鵬 (2015-11-30 21:30)
水鵬さん>こんばんは
この間お会いした時、お話ししてくれた病気の手術ですね。
今回は初めて歩く、ちょっと心配なルートでしたので、念のためヘルメット装着しました。里山歩きでも鈴鹿だと常にヘルメットをして歩いている方もおられますね。
じっくり療養して、また山へご一緒しましょう。お大事にして下さい。
by teppan (2015-11-30 23:23)
面白く楽しそうなコースどりですね。!(^^)! これだけ変化に富んだ歩きに充実感一杯であったと察します。 私も歩いてみたい。 でも、 きついところもありますね。
by Jetstream (2015-12-03 22:45)
Jetstreamさん>コメントありがとうございます。
鈴鹿山脈は南北50キロ程度ですが、本当に変化に富んでいますね。冬も適度に雪があって面白いところですね。南部は花崗岩質でヤセ尾根やキレットが多く、低山と言えどもなかなか侮れません。
今回お天気は良くありませんでしたが、おっしゃるとおり充実感のあるハイキングができて満足できました。
by teppan (2015-12-04 12:00)