SSブログ
 
 
[次項有]てっぱん家の地域別-山記事リストはここをクリックしてください!!
  teppanお気に入りのウェブページは下のリンクをクリッ 
[次項有]山歩き 関連のお気に入り
[次項有]ミツバチ関連のお気に入り

「心が豊かになる山歩き術」のんぼ~山歩きのすすめ [山歩き・ウォーキング]

DSC05931.JPG
 こんな山の本を読んでみました。

 

 

心が豊かになる山歩き術 鈴木澄雄著 写真家 1997/10/10初版 山海堂
 
 図書館の蔵書を検索していて、タイトルが気になった本です。
著者が山を歩く様になった経緯から始まり、撮りたい写真の対象がだんだんと変化していく様、装備の話、ブナの森歩きに自分の原点を見つけた話などが載っています。ウサギとカメに例えて、著者の思う山歩き「のんぼ~」とはどんなものかが書かれたエッセイです。
 

まず初めに、本の最初にある著者の撮った山のカラー写真に挿入されていた文をご紹介しておきます。
 
・「山に来てよかった」と強く感じることがある。これは山の何かに感性が刺激され針が振れたのだと思われる。そんなときは、できれば素通りせずに立ち止まり、じっくり辺りを見渡してみるといい。(中略 )感性を自由に遊ばせる。山歩きの醍醐味である。 
・静まり返ったブナ林に佇むと、静けさを「森閑」と書く意味がよく理解できる。 
・季節によって、天候によって、いろんな表情を見せてくれるのが山である。 
・山歩きの大きな魅力は発見することにありそうだ。知識を蓄える前にまず感じることから始めたい。 
・これも自然、あれも自然、すべてを受け入れたい。 

 なぜ山に行きたいのか?実は自分でもよく解りません。この本に答えがあるような気がして読んでみることにしました。その中で印象に残った部分を抜粋してご紹介します。 
 
(七人山) 
R0012074.JPG
>「山の最良のひとときは、自然から生きる力を分けてもらえたとき」
汗を流しながら何時間も登るからこそ、心に残るひとときを用意してくれる。都会の仕事と人間関係に疲れた時は山を歩けば明日への活力を補給できる。と同時に他人に対する思いやりも身に着くようだ
・人は誰でも少なからず悩みや問題を抱えていますが、不思議なことに山だと見ず知らずの人にも素直に打ちあけられるんですよね。下界ではギスギスした生活をしていても、山に居ると素直な自分を取り戻せる。人間って本来自然と共にゆったり生きるべき動物なのに、自分達の造った小さな世界で勝手に行き詰まってるだけなのではないかと思います。
 

(京ヶ峰)
DSC04495.JPG
>「木々の声を聞く」
どのように生きていこうかと悩んでいたのだけれど、木々の芽吹きを見て一気にその答えを教えられたような気がした。ただ無心に精一杯生きていけばいいんだと。この時の印象がぼくの山歩きを見直すきっかけになった。山の写真もこのような心を励ましてくれる光景を写していこうと思った。

>(自然の中で弱肉強食の世界を目の当たりにして)非情のドラマが展開されているけど、自然は変わらず自然のままである。人間がいくら思いあがっても、自然の大きさには太刀打ちできない。生命を大切にするのは当然だけど、生命は、はかないところもあるので、生のみにこだわりすぎると汲々とした人生になってしまいそうだ。自然の精一杯の生命を見ていると、変なことにこだわらずに気楽に生きられるようになる。それが山に登る喜び。
・山頂から景色を眺めていると、自分の悩みなんか取るに足らない様なちっぽけなものだと感じる事があります。人ってどうしてこんなにも面倒くさい生き物なんでしょうか… 
 

(猿投山)
DSC03376.JPG
>小さな山でも、ひとつの山を四季を通じて何年も歩けば新しい発見があり、生きいきとした写真がものに出来そうだ。山頂に立つことが目的の山登りから、山の自然の中をゆっくり歩き、気に入ったところで昼寝でも、というのんびりとした山歩きの魅力に開眼した。

>山歩きは頂上の昼食と展望だけが楽しみではなく、上りでも下りでも全行程を通しての自然とのふれあいが喜びである。(中略)せっかく山を歩いているのだから、息を切らせて駆け登ってはもったいない。(中略)山歩きの真髄はのんびり歩いてぼーっ。そうすれば山の自然の面白さ、不思議さが目に飛び込んでくる。
・これが著者のめざす山歩きなんですね。「のんびり歩いてボーッとする」略して「のんぼー」。でも日帰りだとその日の内に俗世間に戻らなければなりません。テン泊でないと「のんぼー」するのは難しいですね。
 
 
(仙ヶ岳)
R0013125.JPG
>沢は尾根の様に見通しがきかないので、次に何が現れるか分からない。緊張しドキドキしながら歩くことになる。尾根歩きでは感じられないトキメキが沢登りの魅力 
・沢登りには憧れます。でも沢は山歩きのあらゆる技術が要求されハードルが高い。経験者に連れて行ってもらわないとなかなか手が出せません。
 
 

IMG_9994.JPG
>「山登りに必要な装備とは」
アウトドアとは一体何をする事なのだろう?最新の装備で自然の中へ出かけてみると、何をしたら良いのか困ってしまうようだ。そこで皆一斉にバーベキューとなる。何もせずにのんびり雲の動きでも見ていたいと僕は思う。

>どういう山登りをしたいのか?必要最低限の装備とは何かを考え続けるのが山登りである。と言えないこともない。 
・山が歩きたいのか?それとも道具を集めたいのか?それが問題だ!
 山歩きを始めると、次々欲しくなるモノが出て来るんですよね~ 自分の学生時代はとても貧弱な装備でした。当時の山装備がとてつもなく高価だったのも理由ですが、便利な山道具なんか市場にはなかったし、田舎町に住む自分には手に入れる手段もありませんでした。でも今は違います。次々と便利そうな装備が出てきて、ネットと宅配でどこでも手に入る。そして僅かながらも自由になるお金が今はある。困ったものです…^^;  
 
 
(宮路山)
R0022641.JPG
>山頂や見晴らしのいい稜線では晴れた日がいいけれど、晴れた日の樹林は光と影のコントラストが強すぎて浮足立って見える。小雨くらいの方が落ち着いていていい雰囲気だ。風雨の稜線は無理して歩く事は無いけど雨の樹林帯歩きはやめられない。
・そうなんですよ!雨でしっとりとした森は何とも言えない良い雰囲気が漂っているんです。それと自分は山で写真を撮るのも趣味のひとつなんですが、光線が多いと草花は繊細な部分が消されてうまく撮れません。逆に雨の方が水滴が着いて良い写真が撮れますね。 
IMG_0927.JPG(御嶽山) 
 
 
 
(きららの森) 
R0016866.JPG
>登山コースになっていない尾根でも、登ってみると静かで良いコースがある。ひとつの山でもいろいろなコースを歩くことによって、初めてその山の本当の姿が見えてくると思う。
・同感ですね。でも今は色んな山を歩いてみたいと思う、もう一人の自分が居ます。しばらくして今より体力が衰えてきたら、近場の里山を繰り返し歩くという風になるのかもしれません。
 
 
(仙ヶ岳)
R0013101.JPG
>「山の声が聴きたい」
丹沢にザンザ洞という沢がある。ザンザ、ザンザと音を立てて流れていたことに由来すると伝えられている。何度かこの沢を遡ったが、ザンザという水音は聞こえなかった。ぼくには自然の特徴を捉まえる目が身に着いていないようだ。(中略)昔の人がつけた地名や山名は自然の特徴を見事に捉えたものばかり。こういう感覚はどうやって身につけたのだろう… 
・こういう視点を持つ著者は、もうすでにその目を持ちあわせているような気がします。「聞く」ではなくて「聴く」という文字がそう思った理由です。
 
「聴く」は自ら進んで感性を研ぎ澄まして行うという能動的な意味があります。「五感で楽しむのが山歩きの極意」と、著者はこの本で問いかけたいのではないかと思いました。
 
以上、長々と書いてしまいました。アルプスや百名山ピークハントに疲れたら、この本を開いてみるのも良いかもしれませんね。

タグ:山の本
nice!(7)  コメント(6)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 7

コメント 6

totok

てっぱんさん、こんばんは。
心が温かくなりました。
最近、ちょっと膝を痛めてなかなかガッツリ登れませんが、
それでも山の中にいるだけで、それで幸せなんですよね。
のんびり、ゆっくりしか今は歩けませんが、その分、より自然を肌で感じることができるんです。
なんかホッとしました。ありがとうございます。

ブログの写真も、すべてが趣があって良いですね。
ピークハントと対極の山歩きを究めたいと感じました。
by totok (2015-07-19 18:44) 

teppan

totokさん>こんばんは! コメントありがとうございます。

totokさんの山歩きレポートを拝見して、いつも羨ましく思ってます。
ガッツリ精力的に山へ向かうのは悪くないし、そういう脂の乗った時期を逃さずどんどんチャレンジするべきだと思います。
自分もそうしたいんですが、体力的にキビシイので「のんびりがいいな!」なんて誤魔化してるだけなんですよ^^

対極を究めるのはガッツリに満足してからでも良いかと。でも、ピークハント以外の引き出しも持って歩いた方が、さらに充実した山歩きになるのは間違いないですよね。名だたる山岳家さん達も、ある時満足してパッタリ高山へ行かなくなる様です。

「山の中にいるだけで幸せ」同感です! テン泊して「のんぼ~」したいですねえ。

膝の痛みは付き合っていくしかないですが、早く回復して良い山歩きを楽しんで下さい。
by teppan (2015-07-19 19:24) 

水鵬

こんばんわ~
本当になんで山に登るんだろうな~っていつも不思議に思っています。
答えはわかりませんが、行けば楽しいし気持ち良い。
もちろん健康にも良いし・・・う~ん、まぁ理由なんてどうでも良いかな~ってw
基本素人で登山部でも何でもないヘッポコなので^^;
ただ、絶対安全重視です。
軟弱と言われようと、これは譲れないかな~
別に人と競っている訳でもないし、好きで好きな時に歩きたい山に歩きたい分歩いて・・・それで十分かな~ってね。
ピークにも着けばそれでも良いけど、別に着かなくても良いし。
本当に適当なんですよね~
でも山の中、森の中、自然の中に居るのは本当に心地よい。だから山に登っているんでしょうね~(・∀・)
by 水鵬 (2015-07-19 21:52) 

teppan

水鵬さん>こんばんは!
山歩きは自分が思うにズバリ!「マゾ」
だって、あんなにヒイヒイ言って登らなきゃならないのに、それが気持ち良いだなんてそれしか考えられません。(^^;)

「ピークにも着けばそれでも良いけど、別に着かなくても良いし」
 これって山歩きの究極の姿ですよ!自分はまだまだだなあ…
by teppan (2015-07-19 23:01) 

teln

ごぶさたですこのところずっとどうにもおっくうで。
少し過去記事にコメントすんません(^。^;)。

山歩きも少々マンネリに感じているのかもしれない、
暑くなってきちゃったししばらく行ってないです。

山登りって多くの人たちが好きで、そういうのって
やっぱり本能に訴えかけるものがあるのではないかと。
こちらは新規性を求めているようにも思っていて、
初めての道って山でも何でも楽しいんですよね。
by teln (2015-07-26 17:52) 

teppan

telnさん>おひさしぶりです
梅雨明け台風が過ぎたら強烈な暑さですもんね。
低い山歩くと熱中症になりそうです(^。^;

そうですよね、本能!
人間社会はストレスの塊りですからねえ。
by teppan (2015-07-27 09:21) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0