海上の森 初夏の植物観察 2014/6/12 [山歩き・ウォーキング]
梅雨の晴れ間に「海上の森:かいしょのもり」を歩いてきました。(所在地:愛知県瀬戸市海上町・広久手町)
写真は篠田池から東(上流)方向。堰堤によってできた湿地が植物の多様性を生み出す。
海上の森という名前がどうして付いたのかは知りませんが、大昔はこのあたりまで海岸線だったと聞きます。
「かいじょう」と書いて「かいしょ」と読む。初めて聞いたとき、その呼び方が印象に残りました。
愛知万博を機にここを歩くようになってからもうすぐ10年。こうして歩いてみると、「何の変哲もないただの雑木林が街のすぐ近くに存在している」ということが、実は貴重なんだと言うことが解ります。
で、久しぶりに海上へ来ました。もう里山は花盛りを過ぎてしまいましたが、観察しながらのんびりと歩いてきました。
今回は植物写真日記です!
お昼近くの遅い時間からスタート。相変わらず人気のエリアで駐車場には車がたくさん停まっています。何しろここは名古屋方面からのアクセスが抜群ですからね。入口の掲示板。良く見ると「火気厳禁!」とあります。自分は時々バーナーを使ったりしてました。以後気をつけます。m(__)m
クズ縛りの術 ギュ~ッと締め上げられちゃって苦しそう…
ハリエンジュ:針槐(ニセアカシア) その辺で良く見かける木。日本で言うところの「アカシア」はこの種を指すそうです。枝や幹にトゲがある。痩せた土地でもよく育つことから日本に導入された。繁殖力が強く他の植生を脅かすとして要注意外来生物リストに載っている。白い花はミツバチの重要な蜜源なので、養蜂業者達は「特定外来種」の指定に反対しているそうです。
マムシグサの実です。やがて真っ赤になり、秋の里山を歩いているとよく目立ちます。先日草花講座で勉強したんですが、花が終わっているのでどの種類なのか? たぶん「スルガテンナンショウ」。
マイマイガの幼虫。ここ海上でも大発生していました。これはスギの葉ですけど、何でも食べちゃうんですね。
ウリカエデの実(左)とツクバネウツギ(右)花が終わってガクだけになった
「ママコノシリヌグイ:継子の尻拭い」 トゲだらけ!こんなのでお尻拭かれたら堪らんなあ^^;
タツナミソウ もう花も終わりでしょうか?咲いているのを見たのはこれだけ。
これは講座で勉強した「スズカカンアオイ:鈴鹿寒葵」。写真のように開花してしばらくは花が残っています。
ガクを割って開いてみると、キノコのヒダみたいになってます。(左)ここにキノコバエをおびき寄せて受粉させる。
さらに花を割ってみると種が出てきました(右) 茶色が種で白っぽい部分が脂肪です。これ欲しさに近寄ってくるアリによって種を遠くまで運んでもらうというカラクリ。
これは何かと言いますと…
ショウジョウバカマの終わった花。海上にはたくさん自生しています。
篠田池です。街のすぐ近くなのにここは別世界。静かでゆったりとした時間が流れていて、海上の中でも大好きな場所のひとつ。もう午後1時近くなので、ここでランチにしました。
フモトスミレ 葉脈が白いので「斑入りフモトスミレ」とも。もう花の時期は過ぎています。
ラピュタ ^^
コアジサイの花が散ったやつ。 花柄が紫色できれい。
コアジサイの花をアップで
シソバタツナミ 花は終わったか?
シダの新葉は面白い造形
オカトラノオ
クモキリソウというランの仲間。緑色の花が咲いていました。
ヤマウルシの実
これ全部ヤマウルシです。海上にもたくさんあるんですね!カブレるので触らないよう注意。
ウラジロ 葉の裏側を見ると白いです。鏡餅の飾りに使う。2枚の葉がハの字になってます。
湿地へやってきました。ハッチョウトンボの雄と雌が居ました。ズームの無いカメラなんで接写しようとしましたが、どうしてもピントが合わず上手く写真が撮れなかった… 体長2センチくらい。実物を見ると驚くほど小さい赤トンボです。
トウカイモウセンンゴケ もうしばらくするとピンクの可愛い花が咲くそうですが、まだ見たことないです。
シデコブシは葉が青々としていました。
クヌギの下でこんな青い葉っぱがたくさん落ちていました。毛虫に食べられて落ちたんですね。
三角点ピークに立ち寄って、
四ツ沢に戻ってきました。
毛むくじゃらの実。帰って調べてみたら「ヒメコウゾ」と言うそうです。クワの仲間で実は食べられる。和紙の原料にもなるみたいです。
午後4時前、駐車場に戻ってくるとたくさんあった車は一台だけになっていました。
植物観察しながらゆっくりと4時間。こんな里山歩きもたまには良いですね。今日の歩行距離は約10キロでした。
※海上池付近で「おぢさんグループ」に会いました。聞けば今度ここで開くハイキングの下見だそうです。実際に歩いてワイワイと計画を練っている姿は、とても楽しそうで生き生きとしていました。それもこれも気軽に来られるこの場所があればこそ!海上の森サンキュ!
※今回の海上の森はマイマイガの毛虫がやたら多く、いつの間にか襟に付いていて危うく中に入っちゃうところでした。^^;
こばわ~ すごいですね~ めっちゃ勉強になります。 私も山に登るようになって7~8年ですが、ようやく自然を楽しむ余裕が出てきたかな~ (*´∀`*)
ボチボチとひとつずつ色々な事を覚えていこうと思っています。
自然は素晴らしい学校ですよね^^b
by 水鵬 (2014-06-14 21:08)
水鵬さん>おはよございます!
山登って頂上から景色を眺めるのは気分爽快!
同じもの食べても山ごはんはさらに美味いし!
プラス、木や花やキノコなんかの知識が少しあれば、
「今ならアノ山の、アノあたりに、アレが咲いてるな」
って判るじゃないですか!
そうなれば山歩きが一段と楽しくなること請け合い。
難点は道草が多くなって時間がかかるってことですかね(*^_^*)
by teppan (2014-06-15 08:40)
こんばんはー。
見逃してましたーこの記事!!
すごいですね、こんだけ見ていけばそりゃ時間もかかりましょう。
旅を愉しむ達人ほど時間をかけるものですね!!
毛虫ノーサンキュー!!でもこいつも自然の一部か…。
「ラピュタ」、ルールー(^。^;)♪
「シダ」、文様のようですね。
「オカトラノオ」、雲谷山で見て調べてわかるのにちょっとかかりました。
「ウルシ」、知識としては知っていても、気にもとめていませんでした。
「湿地」、好きなんですけどね、いかんせん地味で(^。^;)。
by teln (2014-06-21 00:02)
telnさん>こんばんは!
人間もそうなんですが、派手な人にも地味な人にも、
それぞれ人生のドラマや知られざる特技ってあるじゃないですか!
湿地に自生する地味な植物も、今の姿になるまでの進化の物語や
驚く様な仕掛けを何か持ってるんですよ。
そういったことを知れば、地味でも興味が湧いて可愛くなってくるんです。
おまけに鳥・獣・虫・雨・お日様や風も絡んできて自然界には面白いことだらけ。
な~んて呑気な山歩きをしていては時間が足りなくなっちゃいますね^^
by teppan (2014-06-22 00:02)